茅乃舎ノ道具

陶芸家・鹿児島 睦さんのアトリエから生まれる、「京都祇園 茅乃舎」特別誂えの小皿

だしを五感で楽しむ旗艦店、「京都祇園 茅乃舎」が誕生

2026年6月11日、あじさいが京都のまちを彩る頃、茅乃舎の関西初となる旗艦店「京都祇園 茅乃舎」が開業いたします。

歴史深い食文化と「おばんざい」のような日常の豊かさが共生するこの地から、現代の暮らしに寄り添う「知恵」、そして日本食の素晴らしさに触れるきっかけを「だし」を通じて提供してまいります。

「京都祇園 茅乃舎」は、地元で“祇園さん”と呼ばれて崇敬を集める、八坂神社のすぐ近くです。

「一汁一菜」の食卓に寄り添う、食卓まわりの器や道具もご提案

「京都祇園 茅乃舎」の要としてご案内するのは、湯葉やしば漬けなど京都らしい素材を活かした京都限定商品。そして「一汁一菜」の食卓に寄り添う道具の数々です。仕事や家事に忙しい毎日でも、手軽においしく、栄養のあるものをしっかりといただきたい。そんな茅乃舎からのご提案とともに、みなさまの日々を支えるさまざまな道具がお目見えします。

観光で訪れる方も多い京都祇園ですので、お椀や豆皿、お箸など、お持ち帰りしやすく、お土産としても喜んでいただける小ぶりな道具が中心です。小さいながらも一つひとつに職人の技、作り手のこだわり、暮らしのなかで培われてきた知恵を感じられるものをよりすぐりました。

京都の素材を活かした「だし茶漬け」や「にゅうめん」など、お湯を注ぐだけで楽しめる商品も充実。

「京都祇園 茅乃舎」は単にお買い物を楽しむだけの場所ではなく、品々を眺めるだけでも心が潤い、お手に取れば日本の食文化と五感で触れ合えるような、空間でありたいと願っています。

茅乃舎ノ道具との出会いによってみなさまの暮らしが、ちょっと豊かに丁寧に、そして何より楽しいものになるとうれしい限りです。

福岡で作品づくりに取り組む、鹿児島 睦さんの小皿もお目見え

道具の中で、特に熱を込めてお届けするのが「小皿」「豆皿」です。九州各地の作家による作品から骨董品まで、ふと心動かされ、連れて帰りたくなる小さなお皿をご紹介いたします。

お手に取りやすい豆皿を京都の旅の記念にどうぞ。

そのなかで、ぜひとも出会っていただきたいのが、陶芸家・鹿児島 睦(かごしま まこと)さんによる小皿です。「京都祇園 茅乃舎」の開業を機に特別誂えの器として、当店のためだけに鹿児島さんがつくってくださいました。

日本国内はもとより、海外でも個展を開催し、国内外問わずファンも多い鹿児島さんですが、現在も出身地である福岡にて作陶されています。

福岡を拠点にご活躍を続ける鹿児島さんの作品を、福岡の地で生まれた茅乃舎が、京都の旗艦店でお披露目できることがとても喜ばしく、ひとりでも多くの方にお届けできればと願っています。

福岡の静かな住宅地にあるアトリエ。その玄関先で出迎えてくださった鹿児島さん。

今回は「京都祇園 茅乃舎」の開業前に、鹿児島さんの作品の魅力をたっぷりお届けするために、アトリエへお邪魔しました。作品が生まれた背景や完成に至るまでのエピソードをご紹介いたします。

誰が手にとっても、鹿児島 睦らしい器をお届けしたい

鹿児島 睦さんのアトリエにお招きいただいたのは、春から初夏に移りゆく頃。庭には鹿児島さんがご家族と植えつけたミモザやナラの木が心地よさそうに葉を広げ、美しいグリーンで迎えてくれました。

「京都祇園 茅乃舎」特別誂えの小皿。使うシチュエーションや盛り付ける食材によって異なる表情を見せてくれるので、毎日使いたくなる方も多いはず。
※一点ずつ手作りのため、画像と店頭でご覧いただく器の色合いが異なる場合がございます。

「京都祇園 茅乃舎」のための小皿をさっそくテーブルに並べてくださった鹿児島さん。明るい黄土色の素地にこっくりとした乳白色の釉薬がかかっており、鳥や花のモチーフが朗らかに浮かんでいます。素朴でいて洗練されていて、可愛らしいのにセンチメンタルな詩的さもある。眺める人によっていろいろな物語が生まれてくる器です。

レリーフ(浮き彫り)のような印象の小皿は、鹿児島さんご自身が彫刻刀で石膏型にモチーフを彫り込み、そこに粘土を詰め込んで成形されています。手仕事のぬくもりと豊かな表情が感じられるこの手法は、鹿児島さんが本格的に陶芸をはじめた2002年頃によく取り組まれていたとのこと。はじまり、原点といった言葉が、「京都祇園 茅乃舎」の開業とも重なります。

ライブペイントで描かれた絵画の前で、にこやかにお話される鹿児島さん。

「茅乃舎さんとは以前より交流させていただいていましたが、私の器をご紹介いただくのは、初めてのこと。また京都の旗艦店となるお店なので、世界中からお客様が足を運んでくださることでしょう。そこで、私をご存知の方も、そうでない方も、また外国人の方がご覧になっても、“鹿児島 睦らしさ”を感じていただける器をつくりたいと考えました。さまざまな粘土と釉薬を試して、いいなと思えるものにたどり着けたと思います」と鹿児島さんは話します。

食材を引き立てる、道具としての役割も大切に

「その一方でこの小皿は毎日の食卓で使う、暮らしの道具であります。主役は食べ物なのですね。ですから私の主義主張が、必要以上に入っていない方が望ましいと思うのです。鳥と花のモチーフも作家性というより、多くの人に喜んでもらえたらいいなといった視点で選んでいます。矛盾しているかもしれないですが、作家性と道具としての役割のどちらもあきらめずに、日々使いたくなる、面白いものを完成させたいと制作に取り組んできました」。

庭には鹿児島さんの器に描かれていそうな、どこかユニークで愛らしい造形の植物が育てられていました。

直径10cmほどの小皿のなかに収められた愛らしい自然は、鹿児島さんにしか描けない世界。そして盛り付けたものを邪魔せず、日常の中で引き立ててくれる、優しさも満ちています。また、和でもなく洋でもなく、福岡のアトリエで生まれた作品でいて、海の向こうで出会う器のような雰囲気をもっているのも、この小皿の不思議な魅力です。

「お漬物やおにぎり、青菜の和え物を盛り付けても似合うと思いますよ。洋風のお菓子でもいいし、もちろんアクセサリー置きなどにしてもらっても。用途を限定せず、お好きなようにどんどん使っていただきたいですね」と鹿児島さん。

アトリエの壁にはモチーフの原案やイマジネーションにつながるものの写真が貼られています。

日頃から、陶芸という枠組みだけに留まらず、絵画や版画、テキスタイルデザインとさまざまな領域を行き来するように活躍されている鹿児島さん。この小皿も、食の和洋を問わず、器やインテリアの領域を行き来しながら、日々、永くお使いいただける器として、ご愛用いただけることでしょう。

若者時代からのおつきあい、今右衛門さんの作品と同じ空間にある喜び

「京都祇園 茅乃舎」特別誂えの小皿を成形するために、鹿児島さんが彫り上げる石膏型。それは100枚ほどの制作を経た後、役目を終えることになるそうです。そのため今回ご紹介した鳥と花のモチーフの小皿については、数量限定の作品となります。

「その後は、また同じモチーフで石膏型を制作するのか、まったく別の小皿をつくるのか。どちらにしても、まったく同じものは完成しません。これから茅乃舎さんと相談しながら、みなさんも私も面白いと思える器をつくっていきたいですね」と鹿児島さん。

どんなモチーフを描こうかと考案中の鹿児島さん。この丸いテーブルから独特の図案が生まれていきます。

ちなみに今回、同じく「京都祇園 茅乃舎」特別誂えの小皿をおつくりいただいた重要無形文化財「色絵磁器」の保持者である十四代今泉今右衛門さんと鹿児島さんは、旧知の仲でありました。鹿児島さんが大学卒業後に勤められた、福岡の伝説ともいうべきインテリア会社の先輩・後輩の間柄だったそうです。

ちょうど今右衛門さんが退社された後に、新卒で入社された鹿児島さん。「インテリア会社に顔を出された今右衛門さんは、何者でもない新入社員の私にも気さくにお声をかけてくださる、優しいお方でした。尊敬し、憧れるばかりの今右衛門さんとお話できることが、ただただ嬉しかったですね」と鹿児島さんは振り返ります。

「そして福岡発の食ブランドである茅乃舎さんの旗艦店にて、今右衛門さんと同じ空間に、私の作品も並べていただく。そのことが感無量でもあり、身が引き締まる思いでいっぱいでもあり……。実は、工場で豆皿を量産して、より多くの方に届けるという選択肢もあったのですが、やはり自らの手を動かして全力で作品をつくろうと、試行錯誤しながらこの小皿にたどり着きました」と話してくださいました。

「京都祇園 茅乃舎」でご紹介する小皿は、福岡にある鹿児島さんのアトリエの電気釜で一つひとつ時間をかけて焼かれていきます。

弟子やアシスタントはいない鹿児島さん。おひとりで、時にはご家族の手を借りながら、アトリエにある電気釜で少しずつ焼き上げられる様子を想像すると、よりいっそう小皿への愛着がわいてきます。

海外出張のときにも、だしを連れていくほどだしが好き

さて、うれしいことに“福岡”というキーワードでつながっている茅乃舎と鹿児島さん。福岡の里山にあるレストラン・御料理 茅乃舎に足を運んでくださったり、茅乃舎の商品をお土産に選んでくださったり、茅乃舎のことを身近な存在として感じてくださっています。

最近は個展開催で海外に滞在する際も、だしを飲むとほっとできるそう。「先日、ロンドンに滞在していた時、現地の食事もおいしくて好きなのですが、なぜか数日間経つとだしを欲してしまうんですよね。そしてだしが評判のうどん屋さんに行くと心身が回復する(笑)。回復後にはまた現地の食事を思い切り楽しめるようになるんですよね」と鹿児島さん。

海外にもファンが多い鹿児島さん作品。アトリエには普段なかなかお目にかかれない大きなサイズの壺が並び、こちらにも花や鳥が描かれていました。

そんな経験から最近はフリーズドライのお味噌汁を現地に持参するようになったそうで、「茅乃舎さんのお湯を注ぐだけの“にゅうめん”や“だしスープ”をスーツケースに入れていくこともありますよ」とうれしいお言葉をいただきました。

また体調を崩され、食が細くなっていたお知り合いに椒房庵の“イカゆず麹漬”を贈ったこともあり、「あれを乗せたご飯は、おいしく食べられた」と喜んでいただけたというエピソードも聞かせてくださいました。

全国初、「御料理 茅乃舎」の分店もお目見えします

では、鹿児島 睦さんの小皿をご紹介する「京都祇園 茅乃舎」をあらためてご紹介します。

「京都祇園 茅乃舎」は、京都のみなさまから“祇園さん”と呼ばれ崇敬を集めている八坂神社からほど近い場所にある路面店です。2025年11月に誕生した「東京銀座 茅乃舎」に続く旗艦店で、日本の食文化を世界に発信する拠点として開業いたしました。

1階はこれまでご紹介しましたように、京都ならではの限定商品と食卓に寄り添う器と道具でお客様をお出迎えします。

そして2階には、茅乃舎ブランドのルーツであるレストラン、福岡の里山にある「御料理 茅乃舎」が全国初の分店としてオープンいたします。

昼はこだわりのだしで味わううどん、夜は「御料理 茅乃舎」の名物「十穀鍋」を楽しめます。

だしを体験していただくワークショップのためのスペースも設けました。

だしを掛け合わせてご自身のお好みのブレンドを配合していただくだし体験などを予定しています。

「京都祇園 茅乃舎」にお立ち寄りいただくことで、京都で過ごす時間がより豊かでおいしさに感動できるものになりますように。そんな願いとともに、皆さまのお越しをお待ちしています。

※ご紹介している商品は、数量限定のため 限定数に達し次第、販売を終了させていただく場合がございます。

鹿児島 睦さん Makoto Kagoshima

1967年、福岡生まれ。造形作家だった祖父の影響を受け、沖縄県立美術大学で陶芸科を専攻する。卒業後、インテリアショップでの勤務を経て、2002年より福岡のアトリエにて本格的に陶器の制作を開始。現在は陶器をはじめ、版画や壁画の制作、テキスタイルデザイン、アートプロジェクトへの参加など、活動は多岐にわたる。また、日本国内はもとよりロンドン、ロサンゼルス、台北などでも個展を開催し、海外でも人気を博している。


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