余白の過ごし方

「やらなきゃ」を、「楽しみ」に。
日常の中に“小さな自由”を見つける

Vol.3 アナウンサー  古谷有美(ふるや・ゆうみ)さん

決められた予定や役割から、少し離れる時間。忙しい日々の中に生まれる余白にこそ、その人らしさがあらわれる。何をしているのか、何をしないのか。この連載では、さまざまな人の「余白の時間」のあり方を探ります。そしてそこから、見えてくるものとは?

古谷有美さん

1988年、北海道出身。上智大学卒業後、〈TBSテレビ〉に入社。報道・情報番組からスポーツ、ラジオまで幅広く活躍し、ナレーションや英語を生かしたインタビューにも定評がある。アナウンサーとして活動する一方、〈伊勢丹〉とのコラボレーション企画やアパレルデザイン、〈Cosme Kitchen〉へのイラスト提供など、クリエイティブな分野でも活動。2026年5月に〈TBSテレビ〉を退社し、新たな一歩を踏み出す。3児の母。建築やアートを巡る旅が好き。

古谷有美さんの余白のある1日

アナウンサーとして報道や情報番組、スポーツ番組など幅広い現場を経験し、現在はフリーとして活動する古谷有美さん。プライベートでは、6歳、4歳、2歳の3人の子どものお母さんでもあります。仕事に、家事に、子育てに。いくつもの役割を行き来しながら過ごす毎日の中で、どのように自分の時間を見つけているのでしょう。まずは、古谷さんのある一日のスケジュールを見せてもらいながら、話を伺いました。

5:30

起床・家事

起きて顔を洗ったらまずキッチンへ。

6:00

お弁当作り・朝食

夫が仕事へ。1人で3人の子どもたちの支度は時間との戦い!

7:45

子どもを保育園へ

車でそれぞれの保育園へ送る。

9:30

仕事場へ車移動

運転をしながら音楽やポッドキャストを聴く。

10:00

仕事

14:00

長女のお迎え

14:30

オンライン打ち合わせ

長女のお世話もしながら、自宅でオンライン打ち合わせ。

16:30

次男のお迎え

17:00

長男のお迎え

17:30

お風呂

子どもたちとお風呂に入る。

18:00

夕食

気負いすぎず、作り慣れたものを作るのがモットー。

19:30

読み聞かせ

子どもたちと本を読む時間。

20:00

寝かしつけ・就寝

子どもたちを寝かしつけつつ、一緒に寝てしまうことも。

自分に還る時間を日々の「隙間」に

「私、1人の時間がすごく大好きな人間なんです。」

人に会い、話を聞き、言葉を届ける。長くテレビ局のアナウンサーとして働いてきた古谷有美さんから返ってきたのは、少し意外にも、そんな言葉でした。
「#月一で何かを観るルール」として、美術館へ行ったり、映画や演劇、ライブを観たり。絵を描いたり、インテリアを楽しんだり。古谷さんのSNSでは以前から、そして今でも、 自分の時間を楽しむ様子が伝わってきます。

「独身の頃は、1日誰とも話さなくても平気でした。“今日話したの、コンビニの店員さんだけだ”みたいな日もよくあって(笑)。日頃、人からの情報やニュースを自分の中に一度落とし込んで、それをアウトプットし続ける仕事をしているので、ずっと続くと空っぽになっちゃうんですよね。だからインプットの時間を大切にしていました。」

iPadで絵を描くことを覚えたことで絵に夢中になり、仕事が深夜に終わったあと、会社近くのカフェで朝4時まで描いていたことも。絵を描く古谷さんは「みんみん画伯」として親しまれ、イラストの仕事を手がけるようになったほどの腕前です。

運転席で見つけた、「ちょっとの自由」

車の中では、家事からも一旦離れられる。「送り迎えのための運転は、子どもとの生活の一部でありながら、かけがえのない時間。36歳で免許を取った自分に本当に感謝しています!」

そんな古谷さんも、結婚、出産を経て、今では3人の子どもの母。1日のスケジュールを見ると、朝5時半に起きて、お弁当と朝食を作り、子どもたちの支度をして送迎へ。その後は撮影や打ち合わせをこなし、午後になれば再びお迎え。お風呂、夕食、本を読む時間と続き、20時には子どもたちと一緒に寝てしまうことも。1人の時間はほとんど見当たりません。でも古谷さんに「余白の時間」を尋ねると、「車の運転です。毎日の子どもの送迎や近所のスーパーへの買い出しで、運転する時間がいい息抜きになっています」と返ってきました。

免許を取ったのは36歳。2人目の子どもが生まれ、必要に迫られてのことでした。ところが実際に運転してみると、楽しくて仕方がないことに気づいたそう。

「ラジオや音楽を聴いたり、景色を見たり。季節の移ろいや時間の流れを感じるのも心地よくて。」

最近は、好きなポッドキャストを聴きながら、1人でニヤニヤすることも。

最近よく聴くポッドキャスト番組は、平野紗季子さんの「おやつ」。 「ポッドキャストって、隣で女の子同士が話している会話をうっかり聞いちゃった、みたいな距離感がいいなって思うんです。」

もちろん、完全に1人になれるわけではありません。後部座席には3人の子どもたち。ワーワー、キャーキャーと騒いだり、喧嘩が始まったりすることもあります。

「でも運転席にいると、意外とそれが程よくシャットアウトされるんですよね。」

子どもを送るまでの数十分。迎えに行くまでの数十分。かつて朝4時まで絵を描いていた頃とは比べものにならないほど短い時間です。けれど、その小さな運転席が、「自分だけのシェルター」のようだと古谷さん。

「子どもが小さい今は、どうしても自分のために何かを選ぶことって減ってくるんですよね。だから、自分で決められるっていうのが、ちょっとの自由なのかもしれないです。」

どこへ行くかではなく、何を聴くかを自分で選べる。それだけでも、ちゃんと「自分の時間」です。

運転中や、車を降りて目的地へ向かう途中で、気になるお店を見つけるのも楽しみの1つ。「車なら駅からの距離を気にしなくていいので、ふと目についたお店はGoogleマップに記録。近くを通ったときに、立ち寄るようにしています」

誰かのために使う時間も、悪くない

花を買って活けることは、古谷さんの暮らしの習慣。「花の水を変えることで、立ち止まって深呼吸する時間を作るようにしています」この花瓶は夫が贈ってくれたモロッコのブランドのもの

そもそも古谷さんにとって、家族を持ったことは「時間」に対する考え方を大きく変える出来事でした。

「20代は仕事が一番楽しくて、どうしたらもっといいアナウンサーになれるか、もっと人の役に立てるか、もっと知ってもらえるかって、ずっと自分に矢印が向いていたんですね。」

もちろん、それは充実した時間。けれど30代で結婚を考えた頃、ふと、そんな生き方に疲れていることにも気づいたと言います。

「これからの人生は、自分の時間を、自分以外の大切な人のために使う人生にしたいって。」

そして結婚し、3人の子どもが生まれました。実際に、自分のためだけに使える時間は圧倒的に少なくなりました。それでも、「どうして私には自分の時間がないんだろう」と思うことは、意外にもあまりないと古谷さん。

「もちろん、ふと疲れることはあります。でも、 “この時間を大切な人のために使おう”って自分で決めたことを思い出すんです。自分で決めた道だしなって。」

数十分でも、数分でも。
心ほどける小さな時間を

インテリアが好きなので、日々小さな模様替えを。「片付けは苦手なのですが(笑)、模様替えは得意なんです。ちなみに片付けは夫が得意。」

古谷さんの日常を見ていると、「自分の時間」を手放したわけではないこともわかります。毎週どこかで花を買って活け替えたり、棚の上の雑貨を少し動かして模様替えしたり。余白は、長ければ長いほどいいわけではない。数十分でも、数分でも、自分の感覚へ戻れる瞬間があればいい。むしろ、まとまった時間が持てなくなったことで、古谷さんは日常のあちらこちらにある、小さな「自分の時間」を見つけるようになったようです。

お子さんがレゴブロックで作った車を飾って。「ほんの少しだけ雑貨を移動したりして模様替えを楽しんでいます。意外と息子が気づいてくれるので嬉しいですね。」

「子どもたちを送り届けて、ようやく座ってコーヒー飲んで……と思ったら、“あ、でも洗濯物やんなきゃ”って(笑)。またいろいろ始まっちゃうんですけどね。でもお花のお水を替えて、ちゃんと切って、活けてってしていると、“あ、私ちゃんと人間やってる。ちゃんと大丈夫”って思えるんです。」

子どもを保育園に送った後や、部屋を整えた後、コーヒーを飲みながらほんの一息。「小さな気分転換で、頭の中も風通しよくします」

面白がる視点が、日常に「余白」をつくる

とはいえ、朝5時半から始まる、3人の子どもとの生活。思い通りにいかないこともたくさんあります。家事も育児も、1つひとつ「大変だ」と数え始めれば、きりがありません。でもそんな時は、ある人の言葉を思い出すのだそうです。

「黒柳徹子さんがご著書の中で、ご自身について“どんなことでも面白がる天才”というような表現をされていて。このマインド、すごくいいなぁと。」

朝から子どもに植木鉢の土を全部出されてしまった、そんな時も、

「“うわぁ!朝5時半に起こされたうえに、この有様は何の修行!?“という(笑)。“ネタがひとつ増えた”と思うだけで、気持ちが違ってくるんです。」

日常も、ほんの少し見る角度を変えるだけで、気分まで変わってくると古谷さん。

「日常でやらなきゃいけない家事が、好きなことだったら、ものすごくお得に感じられる。例えば、洗濯が好きな人だったら、洗濯の時間だって余白になり得る。『やらなきゃ』じゃなくなる。やるのが楽しいし、きれいにできたらより嬉しいって。そういうことが1つでも日常にあるといいですし、それが多ければ多いほど、ハッピーだしラッキーだなと思います。」

「子どものお迎えに行かなくちゃ」と思えば、予定に追われる時間。でも「これから運転できる」と思えば、自分が楽しみにしている時間になる。余白とは、何もない時間を新しく作ることだけではなく、すでにある時間の中に、自分なりの楽しみを見つけることでもあるのかもしれません。

古谷有美さんの余白時間のKEYWORD

  • “自分で選ぶ”ことが、小さな自由になる

    子どもの送迎や買い物など、決められた予定の中でも、何を聴くか、どう過ごすかは自分で選べる。ほんの小さな選択が、「自分の時間」を取り戻すきっかけになる。

  • 余白は、数分の中にある

    運転する時間、花を活ける数分、コーヒーを飲むひととき。まとまった時間がなくても、いつもの暮らしの中に、自分の感覚に戻れる瞬間を見つけて。

  • 見方を変えれば、“やらなきゃ”も楽しみに

    お迎えや洗濯など、毎日の「やらなきゃいけないこと」も、好きなことや楽しみと結びつけば楽しみに。大変なことも「面白がってみる」ことで、日常の景色が少し変わる。

古谷さんのおすすめ商品

減塩茅乃舎だし

結婚以来、毎日のお味噌汁作りにずっと愛用中。もはや我が家の生活の必需品です。

減塩茅乃舎だし(27袋入)
常温便

減塩茅乃舎だし(27袋入)

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2,268円

<季節限定>小鍋で麹サムゲタン・スンドゥブセット

気軽に家で作れるので、自分で食べるのももちろん、ちょっとした手土産にも重宝しています。

※季節商品のため、売り切れとなる場合がございます。

「季節限定」小鍋で 麹サムゲタン、麹スンドゥブ
季節限定 常温便

「季節限定」小鍋で 麹サムゲタン、麹スンドゥブ

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1,382円

炊き込み御飯の素

毎日のお弁当に助かっています。炊き込みご飯にすると、子どもたちの反応もよくて。喜んでくれると嬉しい ですね。

炊き込み御飯の素

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1,987円


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