まだ、しまわないで。料理長に教わる春の土鍋レシピ。
冬の間、愛用していた土鍋。春の訪れとともに収納棚へしまうのはもったいない。保温性が高く、遠赤外線効果のある土鍋は、鍋物や煮込み料理以外の献立にも活躍してくれるのですから。今回は「春野菜」をお題にした、御料理茅乃舎の料理長・尾﨑雄二のレシピで、土鍋料理の楽しみを広げてみてください。
御料理茅乃舎では春夏秋冬、土鍋が活躍しています。
登場する「ご飯土鍋」と「土鍋九寸」は、御料理茅乃舎のメイン料理のためにうまれた土鍋です。茅乃舎から暮らしに寄り添う調理道具や器をご提案する「茅乃舎ノ道具」シリーズとして、通販サイト、一部店舗を通して、ご家庭にもお届けしています。
ふきのとう、筍、菜の花、豆類など。それぞれの個性が際立つ春野菜。尾﨑料理長曰く「私はふきのとう、つぼみ菜など少々苦味を感じるものが好きですね」。香りが高く、つややかな緑も美しい春野菜を五感で味わっていきましょう。
それでは春の土鍋料理2品の作り方をご紹介いたします。
だしごといただく、春野菜のふるふる茶碗蒸し
自然味あふれる春野菜を、まろやかな玉子で包み込む、だしたっぷりの茶碗蒸しです。「ご飯土鍋」の余熱でじんわり火を通して、卵液を“ふるふる”の状態に仕上げます。土鍋の蓋を開けた瞬間、湯気といっしょに立ち上がる春野菜の香りに歓声があがります。
春野菜のふるふる茶碗蒸し 春野菜のふるふる茶碗蒸し
[材料](3〜4人分)
鶏もも肉
150g
アスパラガス
4本
菜の花
4本
筍(水煮)
1/4本
グリンピース
8本
椎茸
2個
三つ葉
1/2束
卵
4個
2袋
水
600ml
うす口醤油
小さじ2
みりん
小さじ1・1/2
塩
少々
[つくり方]
- 椎茸は軸を取り一口大に切る。筍は一口大に切り、三つ葉はざく切りにする。
- アスパラガスは根元の固い部分の皮を剥き、グリンピースはさやから取り出し、菜の花と一緒に塩(分量外)を入れた熱湯でさっと下茹でする。冷水に取り、水けを切って一口大に切る。
- 鶏もも肉は一口大に切り、皮面だけ焼き目が付くまで焼く。
- 鍋に茅乃舎だしと水を入れ火にかけ、沸騰後中火で2〜3分煮出す。
- ボウルに卵を割り入れ、冷ました④を注ぎ、泡立て器で混ぜ卵液をつくり、ザルで濾す。
- ご飯土鍋に、鶏もも肉、筍、②、椎茸の順で具材を入れ、⑤を流し込む。
- 三つ葉を均等に乗せ、土鍋の蓋を閉める。
- 土鍋を弱火にかけ、卵液の表面にぷつぷつと気泡ができ、縁が固まってきたら火を止める。(約15〜18分)
- 蓋をしたまま5〜10分蒸らす。
下茹で時間は野菜に合わせて(つくり方②のポイント)
グリーンピースなど茹で時間が長い野菜から鍋に入れましょう。アスパラガスと菜の花は根元から茹で、先は最後に。
卵液は必ず漉す(つくり方⑤のポイント)
なめらかな触感の茶碗蒸しをつくるには、漉す手間をはぶかないことが大切です。ご家庭用のザルで十分漉せます。
気泡ができたら火を止める(つくり方⑨のポイント)
写真のように気泡ができ、土鍋と接する部分の卵液が固まってきたら火を止めます。火加減はご家庭のコンロによって違うので、加熱時間は様子を見ながら。蒸らした後に固まっていなかったら、さらに加熱してもかまいません。
牛肉の土鍋ロースト ふきのとうソース
「椎茸だし」をまぶして寝かせ、下味をつけた牛ロース肉。「土鍋九寸」の遠赤外線効果で表面は香ばしく、中はしっとり仕上がります。お肉を引き立てるのは、春の息吹を感じるふきのとうのソースです。
ふきのとうソース ふきのとうソース
[材料](つくりやすい量)
[つくり方]
- ふきのとうは細かく刻む。
- 鍋に野菜だしと水を入れ火にかけ、沸騰後中火で2〜3分煮出す。100mlをソース用に取り分ける。(残りの野菜だしはスープ等に活用ください)
- ボウルに①、②、Aを入れ、混ぜ合わせる。
牛肉の土鍋ロースト 牛肉の土鍋ロースト
[材料](4人分)
[つくり方]
- 牛ロース肉に袋を破った椎茸だしをまぶし、ひと晩置く。(最低でも4〜5時間は置きましょう)調理前に常温に戻しておく。
- アスパラガスは根元の固い部分の皮を剥き半分に切る。つぼみ菜は半分に、筍は食べやすい大きさに切る。そら豆は薄皮を剥く。
- 土鍋九寸を強火にかけ、牛脂をなじませる。
- 牛ロース肉を入れ、両面に焼き色がつくまで焼く。同時に②の野菜も入れ炒める。
- 肉の上に野菜を乗せ、ふきのとうソース90ml(※)を流し入れる。
- バターを入れ、蓋をしめ火を止める。
- 8分蒸らして完成。
※余ったソースは、野菜炒めに使ったり、生姜を足して豚の生姜焼きにするのもおすすめです
肉は動かさず、野菜は動かす(つくり方⑤のポイント)
牛ロース肉はきれいな焼き色をつけるため、触りすぎないように。一方、野菜は動かしながら均一に火を入れるとおいしく仕上がります。
野菜はソースにつけずに蒸らす(つくり方⑥のポイント)
野菜に軽く火がとおったら肉の上へ移動させます。ソースに浸ったまま蒸らすと春野菜の風味が飛んでしまい、味付けも濃くなりすぎるので気をつけましょう。
一年中、土鍋に親しめたなら、もっとおいしい食卓に
「土鍋の保温性の高さを活かした茶碗蒸し。じんわり固まった玉子のふるふる感に驚いてください」と尾﨑料理長。牛肉の土鍋ローストについては「土鍋がしっかり熱を蓄えるので、食材の中までゆっくり均等に熱が行き渡ります。お肉もジューシーさが損なわれず、ふっくら焼き上がりますよ。『土鍋九寸』はお肉も焼けますし、春夏秋冬の台所で使えますね」。
御料理 茅乃舎
料理長 尾﨑 雄二
福岡の山深い里に佇む茅葺き屋根の「御料理 茅乃舎」でオープン当初より腕を振るう。和食の道20年以上の経験と知識で旬の食材を選び抜き、手間ひまかけて滋味に富む味わいを探求。
ご飯土鍋のご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/dougu/dougu/9722400/
土鍋九寸のご購入はこちら
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茅乃舎だしのご購入はこちら
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椎茸だしのご購入はこちら
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野菜だしのご購入はこちら
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御料理茅乃舎で使われる土鍋のふるさとである、佐賀・有田の安楽窯を訪ねました。
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