すっと握れて、自然となじむ、しゃもじが生まれる「工房 雲」へ。

茅乃舎が各地で出会い、心惹かれた台所道具や器を集めた「茅乃舎ノ道具」。今回、新発売した桜材の『杓文字(しゃもじ)』についてお話をうかがいたく、そのつくりてである「工房 雲」の小野寺 幸裕さんを訪ねました。

山のふもと、クラフトマンが集う村に到着


海も山も近く、豊かな自然が広がる福岡県糸島市。その環境に惹かれて、全国から移住する人も多いエリアです。

小野寺さんの「工房 雲」は糸島市の山のほう、脊振山系・雷山のふもとにあります。陶芸や木工のクラフトマンが20名近く集う「糸島芸術村」の一角です。

使い手の心に寄り添う木工職人でありたい


茅乃舎ノ道具の杓文字は、さっと持ち上げやすく、握りやすい形状です。ご飯粒がつきにくいよう、すくう面には彫り目をほどこしました。

実は当初、茅乃舎から「例えばこんな、杓文字があったらうれしい」とお届けした見本がありました。

しかし、それを手に取った小野寺さんは「外国製のものだったのか、ゴツゴツと無骨な雰囲気。格好良くはあったのですが、丸みのある曲線の方が、日本人の方々手にしっくりなじむと思いました」。

そこでなめらかな使い心地で、日本の暮らしに合う形状を模索。手にも、お釜や土鍋の底の曲線にも、すっと寄り添う杓文字にたどりつきました。

小野寺さんいわく、「私は、この杓文字のように『こんな道具をつくれませんか?』『こんな器がほしい』とご希望を聞いて、それを実現していくのが好きなのです」。

たとえば、糖尿病で食事制限をされている年配の方から、ご飯を量る時に便利な「きっちり100グラムのお茶碗」のオーダーを受けたことも。左利き用の調理道具もつくっています。

ちなみに難しいお題になればなるほど、職人魂が燃えるのだそうです。

効率的につくることで、木の道具をもっと身近な存在に


もともと大学でプロダクトデザインを学んでいた小野寺さん。文具や食器など小さなものをデザインするのが好きでした。

ただ志望した企業への就職のタイミングが合わず、それならば最終的な目標と考えていた「自分で製品のすべてをつくる仕事をしよう!」と、大分県由布市にある木工工房での修行に飛び込みました。

それから6年間かけて木工の師匠の技術を受け継ぎながら、効率的で合理性に富んだ仕事の作法を習得していかれました。

ベルトサンダーとは帯状のサンドペーパーを電動で回転させる機械。回転しているベルトサンダーに木を押し当て、削ります。

「どうすれば材料を有効活用できるのか、時間に無駄が出ないのか。今も考え続けています」と小野寺さん。その結果、より短時間で高品質の製品を生産できるようになり、価値あるものを手頃な価格で届けることができます。

作業にベルトサンダーを多く用いるのもそのためです。

「求めやすく、日常のなかで生きる道具をつくりたい」という、小野寺さんの気持ちが伝わってきます。

杓文字完成までの道のり、いざ拝見

常に効率化を考えているといっても、杓文字が完成するまでには、驚くほど数多くの工程が重ねられています。工房での作業の様子を見せていただきましょう。

見本の型と4Bの鉛筆を用いて、桜材(国産の山桜)の板に杓文字の形を描きます。
桜材は3〜5年以上、天然乾燥させたもの。人工乾燥させた木は歪みが出る可能性があるため、使わないのが小野寺さん流。
鉛筆の線に沿って、帯鋸でざっくりと切り出します。
切り出した桜材をベルトサンダーで整えます。どの部分に、何度の角度で、どのくらい押し当てるのか、綿密に計画を立てています。
杓文字の面となる、横のラインもえぐっていきます。
おおよその形をつくったら、再度、型を当てて、製図用のシャープペンシルで正確に型を取ります。
その後、よりきめの細かいベルトサンダーで、さらに形を整えます。

杓文字を削りながら、ベルトサンダーの周りを1周するごとに、美しい形が現れてきます。

サンドペーパーを手に持ち、よりなめらかに仕上げていきます。

ここからひと手間。茅乃舎からのお願いで、すくう面に丸ノミで彫り目を入れ、ご飯粒が離れやすいよう工夫していただきました。

その後、再びサンドペーパーで全体を整えたら、塗りと研磨を4回ほど繰り返して完成。塗装に用いるウレタン剤は、食品衛生法や学校給食法をクリアしており、100度の熱湯でも消毒できます。


桜材の仕入れから、仕上げの塗装に至るまで。すべての工程を小野寺さんひとりの手で行います。小さな作業も人にまかせないのは「せっかく購入していただくものですから、100%自分がつくったと言えるものを、胸を張ってお届けしたい」から。

そんな想いが詰まった、やさしい使い心地の杓文字。ぜひお試しください。

茅乃舎別誂え 杓文字

通常価格 2,750 円(税込)

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