
和食、洋食、中華料理の定番の味つけを、だしを使って「味つけ目安帖」としてご紹介します。ご家庭でよくつくるこれらの味つけを覚えれば、さまざまな料理に応用でき、料理がもっと手軽になります。

和食でのだしの用途は広がっています。肉じゃがが良い例。以前は使わなかったけれど、だしを使うのが一般的になりました。ご家庭で役立つ和食の味つけを、だしを使ってご紹介します。※レシピはすべて2人前の分量です。

肉じゃがのつくり方
1.油で具材を炒めたら、だし汁(だし1袋、水300ml)を入れる。砂糖・みりんを加え、蓋をして中火で約10分煮る。醤油を加えて、蓋をして約2~3分煮る。

定番中の定番。甘み×醤油の甘辛い味つけ。和風だしを生かして、上品に仕上げます。
【使える料理例】
・肉じゃが ・鶏大根の煮物 ・里芋の煮っころがし ・厚揚げの煮物

鶏の味噌焼きのつくり方
1.ボウルで調味料をすべて混ぜ合わせて味噌だれをつくっておく。
2.フライパンで油を熱し、鶏肉と野菜などを焼いたら、味噌だれを絡めて焼く。

だし、みりん、醤油に味噌を足して、味に変化を。汁感がないので、だしは破って加えます。
【使える料理例】
・鶏の味噌焼き ・野菜炒め ・焼きおにぎり ・味噌和え

焼き鯖の甘酢煮のつくり方
1.薄力粉をまぶした鯖を揚げ焼きにしておく。
2.鍋にだし汁(だし1袋、水100ml)、玉ねぎを入れて火にかける。焼き鯖、酢、醤油、砂糖を加えて煮る。
3.冷まして味を含ませる。

上記の煮物の味つけをベースに、甘みをひいて、酸味をきかせた甘酢系の味つけ。
【使える料理例】
・焼き鯖の甘酢煮 ・鶏肉の甘酢煮 ・蓮根の甘酢煮 ・南瓜の甘酢煮

洋食にだし?と意外に感じますが、コンソメやフォンドボーと聞けば納得です。野菜だしは、野菜のうまみを凝縮しただし。ご家庭の洋食で代表的な3つの活用法をご案内します。

コンソメ風スープのつくり方
1.鍋にだし汁(だし1袋、水400ml)、かぶ、手羽中を入れて火にかける。落とし蓋をして火を入れる。

コンソメ味は、野菜だしを煮出すだけでいいんです。塩味もあるため、しっかりとした味がつきます。
【使える料理例】
・コンソメ風スープ ・ポトフ ・ロールキャベツ ・スープパスタ

鮭のクリーム煮のつくり方
1.薄力粉(分量外)をまぶして鮭を焼く。
2.鍋でバターを溶かしたら、薄力粉を入れて炒める。
3.野菜だし、牛乳を加えて、とろみが出てきたら鮭と野菜などを入れてさっと合わせる。

だしと牛乳だけで味ができます。バター+薄力粉はソースのとろみづけに使います。
【使える料理例】
・鮭のクリーム煮 ・クリームパスタ ・クリーム煮 ・グラタン、ドリアのソース

ハンバーグのトマト煮込みのつくり方
1.ハンバーグを焼いておく。
2.野菜だし、トマト缶、砂糖を加えて蓋をして煮込む。

トマトソースはあっさりめで。トマトが生きるシンプルな味です。
【使える料理例】
・ハンバーグの煮込み ・トマトパスタ ・ドリア、ピザのソース ・ひき肉を加えてミートソース

中華にもだしを使ってみたら?という好奇心から、新しい中華に出会いました。鶏だしには、帆立や香味野菜も含まれます。だし中華のやさしい味つけをお試しください。

豚しゃぶねぎ塩だれのつくり方
1.ボウルでみじん切りにした長ねぎと、鶏だし、ごま油を混ぜ合わせておく。茹でた豚肉にかける。

鶏だし+ごま油を合わせれば、中華風の味つけに仕上がります。
【使える料理例】
・豚しゃぶのたれ ・つくねのたれ ・焼き魚のたれ ・唐揚げのたれ

あんかけ焼きそばのつくり方
1.油で具材を炒め、だし汁(だし1袋、水400ml)、酒、醤油を入れて煮立たせる。水溶き片栗粉でとろみをつける。
2.焦げ目をつけるように焼いた麺に①をかける。

やさしい鶏だしならではの、やさしい中華あん。お酒と醤油だけで味ができます。
【使える料理例】
・あんかけ焼きそば ・天津飯 ・八宝菜 ・あんかけ炒飯

麻婆なすのつくり方
1.フライパンに油を熱し、皮を剥いた茄子を焼く。一度取り出し、牛肉を炒める。
2.豆板醤、粉唐辛子を加えて炒め、だし汁(だし1袋、水100ml)、醤油、酒を加える。
3.茄子を入れ、弱火で蓋をして約10分煮る。水溶き片栗粉でとろみをつける。

中華なら麻婆系の味つけは欠かせません。豆板醤と粉唐辛子で辛味を出します。濃くなく、あっさりした麻婆の味つけに。
【使える料理例】
・麻婆なす ・麻婆豆腐 ・鶏手羽の煮込み
ご家庭のお料理で、よくつくる味って何でしょう。和食であれば、やっぱり煮物を作るときの甘辛いあの味ですね。それに、酸味のある甘酢のような味つけにもよく助けられます。“よくつくる味”=「定番の味つけ」を身につけられたら、お料理がずいぶん取り掛かりやすくなるように思います。