きらくに発酵教室④ふくらむうまみ「醤油麹」さえあれば

「興味はあるけれど、使い方がよくわからない」
そんな発酵の世界へ誘うための手ほどき連載「きらくに発酵教室」。

柚子胡椒塩麹豆板醤と、麹を使ってかんたんにできる発酵調味料のつくり方と、そのアレンジ料理をお伝えしてきましたが、今回はいよいよ最終回。テーマは、満を持して「醤油麹」です。

もともと醤油蔵からはじまった私たち久原本家にとっても、特別で、親しみのある調味料。

また、いつもご指導いただいている発酵教室「発酵LabCoo」がある兵庫県のたつの市も、江戸時代から続く醤油蔵や麹屋さんが今なお多くある、“醤油の町”なのです。

主宰するのは、松下裕昭さん、美幸さんご夫妻。おふたりとも「発酵LabCoo」を立ち上げる前は、研究者として食品メーカーで従事されていました。

お酒やみりんいらず?醤油麹のありがたみ


松下裕昭さん(以下、裕昭さん)

醤油の原材料は、大豆、小麦、塩と水。炒って砕いた小麦と、ゆでてやわらかくした大豆に麹菌を入れ、発酵させます。最初は黄緑色ですが、塩水に入れて時が経つにつれて徐々に色が濃くなり、風味が出てきます。

松下美幸さん(以下、美幸さん)

やっぱり醤油の醍醐味は、あの独特の味ですよね。他にはない強いうまみが料理をおいしくし、幅を広げてくれるんだと思います。

裕昭さん

実は醤油には、アルコールが含まれてまして。それによって防腐性を高めたり、風味をよくしたりする作用があるんです。

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醤油に麹を加えることで、どのような変化が起きるのでしょう?

美幸さん

塩気のカドがとれてコクが生まれ、より複雑に、マイルドになりますね。和食の基礎調味料として、他に酒やみりんなどを加えることが多いですが、正直、醤油麹さえあれば、これらもいらないくらい。ひとつで完結できる万能感があるんです。

裕昭さん

もちろん、麹によって栄養素が分解されて吸収がよくなりますし、免疫力を高める効果もありますよ。

醤油はこいくちとうすくち、どちらを選ぶ?

美幸さん

たつの市と言えば「うすくち醤油発祥の地」でもあるんですけど、私は醤油麹をつくる時には、こいくちのほうが向いていると思ってるんです。

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それはどうして?

美幸さん

うすくちを使うのって、すっきりとさせたい時なんですよね。素材がメインになってくるような醤油。対してこいくちはより熟成されている分コクがあって、食材のくさみを抑えるマスキングの働きもあるので、麹の複雑な味わいとも調和する気がします。もちろんお好みではありますので、ぜひ、いろいろな醤油で試してみてください。

では、詳しいつくり方を、順を追ってご紹介します。

より複雑、よりまろやか
醤油麹のつくり方


麹をボウルに入れてざっくり混ぜ、かたまりになっているところをほぐします。


醤油を投入。乾燥麹であれば、麹と醤油の割合は1:1.5ですが、生麹を使う場合は1:1で作ります。


全体がまんべんなくなるよう混ぜ合わせたら、保存容器に入れて。


麹がひたひたになるよう、スプーンなどで押し込みます。翌日見て麹が出ているようなら、醤油を足しても。

あとは常温で保存、1日に1回混ぜ、10日〜2週間でできあがり。保存は、冷蔵庫で約半年もちます。

「もしもヨーグルトメーカーをお持ちであれば、60°Cで8時間置いておけばできあがります。これだと毎日混ぜて待つ必要がないので、効率的ですね」

[材料](つくりやすい量)

醤油

300g

[つくり方]

  1. 乾燥米糀をボウルに入れ、かたまりをほぐすようにざっくり混ぜる。
  2. 醤油を入れ、全体を混ぜる。
  3. 保存容器に入れて常温で保存。1日に1回混ぜ、10日〜2週間でできあがり。

先にも教えてくださったように、醤油麹には「これさえあればなんとかなる」頼もしさがあると言います。

美幸さん

たとえばほうれん草などの野菜をゆで、醤油麹とすりごまと和えるだけでかんたんにごま和えができますし、炊き込みごはんも、みりんとお酒は省略し、醤油麹だけでしっかり味が決まります。

なるほど、もっともっと教えて!というリクエストにお答えいただき、醤油麹を使ったときめく料理を3品、教わりました。

うまみと辛みがダンスする
さっぱり和風麻婆茄子

[材料]

豚ひき肉

250g

茄子

3~4本

長ねぎ(白い部分)

1本

にんにく

1片

生姜

1片

ごま油

適量

A

豆板醤

小さじ2

醤油麹

大さじ3

やさしい和漢だし(袋を破って)

1袋

200ml

片栗粉

大さじ2

ごま油

少々

[つくり方]

  1. 茄子は半分の長さに切り、さらに縦4~6等分に切る。長ねぎ、にんにく、生姜はみじん切りにする。
  2. フライパンに多めのごま油を入れ強火にかけ、茄子を加える。炒め揚げて火を通し、一度取り出す。
  3. にんにく、生姜を弱火で炒め、香りが出たらひき肉を入れて炒める。余分な油が出ている場合はキッチンペーパーで取り除く。
  4. 長ねぎと混ぜ合わせたAを加え弱火にする。(片栗粉がダマにならないようにするため)
  5. とろみが出たら、②の茄子を戻し入れる。
  6. 香り付けにごま油をひとまわしかけて、ざっくり混ぜる。


ひき肉はかたまりのままでしばらく置き、焼き色がついてきた段階で崩して炒めると、さらに香ばしさが増します。

醤油麹が風味を引き出す
魔法のゴーヤチャンプル

[材料]

ゴーヤ

1本

木綿豆腐

1/2丁

うすあげ

1/2枚

豚バラ薄切り肉

150g

2個

A

大さじ1

醤油麹

大さじ1

オイスターソース

小さじ1

ごま油

適量

[つくり方]

  1. ゴーヤは縦半分に切り、種とワタを取り、好みの厚さに切る。塩を振ってしばらくおいて、水にさらす。
  2. 豆腐は水切りし、卵は割りほぐしておく。うすあげ、豚肉は一口大に切る。
  3. フライパンにごま油を入れ中火にかけ、卵を加え炒めて取り出す。
  4. 同じフライパンで豚肉、ゴーヤの順に加え炒める。
  5. 火が通ったら豆腐を入れくずしながら炒め、うすあげも加える。
  6. Aと袋を破った茅乃舎だしを加えて混ぜ、③の卵を戻してひと混ぜする。


卵は炒め過ぎず、ふんわりしたまま取り出すのがコツ。

と、醤油麹はいろんな炒め物に大活躍するだけでなく、さらにかんたん「和えるだけ」のちょこっとおつまみも。

アボカドとモッツァレラチーズの醤油麹和え

[材料]

モッツァレラチーズ

100g(クリームチーズでも)

アボカド

1個

醤油麹

大さじ1

オリーブ油

小さじ2

[つくり方]

  1. チーズとアボカドを1㎝角に切る。
  2. 醤油麹とオリーブ油で和える。

美幸さん

アボカドって切ってみないと熟し具合がわからないですよね。「ちょっとかたいかな?」なんて時も、醤油麹を加えることで、特有の若い青臭さが抑えられるんです。


醤油麹はブレンダーで粒を潰してしまった方が、個人的には使いやすくておすすめです。

おまけ:発酵LabCoo の発酵だより

美幸さん

春に梅シロップを仕込んだご家庭は、そろそろ飲み頃。その活用法としてぜひ覚えて帰っていただきたいのが、甘酒のグラニテです。実はこれ、レシピができたのは偶然でした。ある日、甘酒と梅シロップを混ぜたのですが、そのままだと濃いので、水の代わりに氷を入れてみたんですね。するとシャバシャバになるはずが、シャリシャリになって、こっちのほうが格段においしい!その上、梅はクエン酸で酸味があるので味がキリッとしまって、いくらでも食べられます。夏に常備したいおやつになりました。


今回は「茅乃舎の飲む麹」を使ってレシピを出していただきました。
茅乃舎 飲む麹1本に対し、氷を300g、梅シロップ大さじ3〜4。
すべてをブレンダーにかけて混ぜ合せればできあがりです。ぜひ。


発酵LabCoo
味噌や糀、醤油など醸造文化が残る兵庫県たつの市。ここでは、各家庭で簡単に発酵食品が作れるようなワークショップや甘酒教室、オリジナル醤油作りなどのイベントも数多く開催しています。多くの人が日本の伝統食品の味や歴史に親しみ、各家庭で発酵食品を手作りし、地域の味を引き継いでいただきたいと願っています。


最初から自分でつくるのはちょっと不安、という方には「茅乃舎 醤油麹」もおすすめです。
ご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/seasoning/kouji/117200/

その他、登場した商品のご購入はこちら

米糀
https://www.kubara.jp/amakoji/koji/komekoji/224400/
茅乃舎だし
https://www.kubara.jp/kayanoya/dashi/
やさしい和漢だし
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/wakandashi/584500/
飲む麹
https://www.kubara.jp/amakoji/koji/amakoji/178700/

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