新米の時季に、ごはんのおとも、あれこれ。

自然は、よくできていますね。寒くなるにつれ、風景は見目あたたかな色あいに染まりだすのですから。西日に照らされた稲穂なんて、まさにそう。

「うちのまわりもそうですね。すると、新米の季節だなぁと思います」

まさに炊きたての新米よろしく、ぴかぴかの笑顔でそう言うのは、料理家の広沢京子さん。生産者とのつながりによって、時季時期のおいしいものが自然と集まってくる広沢家。お米も、しかりでした。

「我が家では、いくつかの親しくしている農家さんから新米を分けてもらってます。中には田植えを毎年手伝っているところもあるので、思い入れも違ってきますね」

ただひとことで「新米」と言っても、地域によって作られている品種や味の好みもいろいろ。

「九州では味、香りともにバランスのいい『ひのひかり』がよく作られていますが、もっちり系が好きなら『ミルキークイーン』、珍しいところだと『朝日米』というのもあります。原種に近い感じの歴史ある品種で、お米も大きくて、粒立ちもいい。ねっとりしすぎてなくて、私は好みです」

食べ方は広沢さん曰く、炊き込みごはんもいいけれど「私はだんぜん、白米派。ふだんは玄米という人も、最初は白ごはんで食べるのが、やっぱりおいしいと思うんです。ごはんのおともを、いっぱい用意して!」

大好評のインスタライブ。ということで、この秋のテーマは「新米ごはんのおとも」になるおかずです。

ごはんはもちろん、
お酒にも合う
「ちょこちょこおかず」


広沢さんのお家では、メインの前に、小さいお皿に盛り付けた「ちょこちょこおかず」が食卓を賑わせます。

「お店で最初に出てくる“お通し”のような感じが、好きなんだと思います。あのちょこちょこってのが好き。お通しがおいしいお店ってぜったい外れがないし、わくわくしません?」

また「いろいろアイデアをふくらませて、作るのも好き」といいます。

「基本、あり合わせで作るんですけど、残りものってことでもなくて。たとえば野菜の塩もみは、塩分量だけをきちんと計って、あとはゴマを入れたり、レモンを絞ったり、自由に。メインにはならないけど、小さい一品としてはありなおかず」

これらをお子さんはごはんに、だんなさんは晩酌のおともにし、それぞれいただきます。

「味がしっかりしてるので、ごはんとお酒、どっちにも合うんです」

では、お待ちかねのレシピです。バランスを考慮した、選りすぐりの4品。味付けも、食感も、ボリューム感もとりどりで、もはやメインいらず。余ったら、そのままお弁当のおかずにしたい!

旬のおいしさを
つやつやごはんとともに。

まずは秋の味覚!といえば、きのこを使ったジョン。

ジョンとは、韓国の肉や野菜をおいしくいただく知恵。薄力粉をまぶし、溶き卵をくぐらせてさっと焼く、ピカタのような料理です。チヂミのようもちもちではなく、素材を味わえるのがうれしいところ。


「秋になると、スーパーに並ぶきのこの種類もぐっと増えますよね。今日は椎茸、しめじ、舞茸、エリンギ、花びら茸ですが、なんでもいいんです。食感や味わいの違いを楽しんでください」

また、広沢さんのレシピでたびたび登場するのが、だしパックの袋を破っただしと、粉を混ぜたもの。

「この味付きの粉は、すごく便利!焼くだけでなく、唐揚げ粉としても使えますよ」

では、レシピをどうぞ。

きのこのジョン

[材料](2〜3人分)

きのこ(お好みの種類を混ぜて)

130g

薄力粉

10g

1個

ごま油

大さじ1

A

醤油

大さじ2

大さじ1

唐辛子

少々

[つくり方]

  1. きのこは石づきを取り、食べやすい大きさに割く。バットに卵を入れ溶く。
  2. ボウルに袋を破った茅乃舎だしと薄力粉を入れ混ぜ合わせる。
  3. きのこに②をまぶし、溶いた卵に潜らせる。フライパンにごま油を熱し、両面を中火で焼く。
  4. Aを混ぜ合わせ、たれをつくる。

そのままでも味は付いていますが、唐辛子の入った酢醤油でいただくと、さらにごはんのおともに。

こちらも秋に食べたいさつまいもの、なるほど!な使い道。甘醤油で絡めたつくねです。

ポイントは、ふたつ。「さつまいもは、食感の違いを出すために、つくねに練り込むために細かく刻んだものと、そのままいただく乱切りの、ふた通りを用意します。あとれんこんは火を通すともちっとするので、つなぎの役目に。どうしてもレシピを追いかけるだけになってしまいがちですが、そこに理由があることを知ると、応用も効くと思います」

さつまいもつくね

[材料](つくね8個分)

さつま芋

120g

鶏ひき肉

200g

れんこん

40g

2g

300ml

サラダ油

小さじ2

A

醤油

大さじ1

みりん

大さじ1

砂糖

小さじ2

[つくり方]

  1. さつま芋50gは皮付きのまま5mm角に切る。残りは乱切りにする。れんこんはみじん切りにする。
  2. ボウルに鶏ひき肉、塩を加え粘りが出るまで練る。5mm角に切ったさつま芋、れんこんを加え混ぜ合わせる。8等分にし、俵型に丸める。
  3. フライパンに油を熱し、②のつくねを並べ表面を焼く。焼き色がついたらひっくり返す。
  4. 水、茅乃舎だし、乱切りにしたさつま芋を加え沸騰したら弱火にし、蓋をして10分ほど煮る。
  5. さつま芋に火が通ったら、だしパックを取り出しAを加え、中火で水分を飛ばし煮絡める。


常備菜に加えて、
生野菜のみずみずしさを。

さらに「常備菜的なものに加えて、ひとつその日のために作る、生のシャキシャキッとした品があるといいと思います」ということで選ばれたのは、焼いてパリッとさせた油揚げと、春菊、長ねぎの胡麻あえ。練りごまを白だしとお湯、ごま油で溶いた胡麻だれが、クリーミーで香ばしく、ごはんにもとても合います。

詳しいレシピはこちらをちょん、と押してくださいね。

焼き油揚げと春菊の胡麻あえのつくり方 焼き油揚げと春菊の胡麻あえのつくり方

[材料](2人分)

春菊

50g(1/4束)

油揚げ

1/4枚

長ねぎ

1/4本

練り白ごま

大さじ1

白だし

大さじ1/2

大さじ1

ごま油

大さじ1/2

[つくり方]

  1. 春菊は葉を摘み、水にさらしてパリッとさせ、よく水を切る。茎の部分は細かく刻む。長ねぎは白髪ねぎにする。
  2. フライパンを熱し油揚げをのせ、パリッと両面焼く。(トースターでも良い)半分の長さに切り細切りにする。
  3. ボウルに練りごまを入れて混ぜ、白だしと湯を少しずつ加えながらよく混ぜ合わせる。ごま油を加え混ぜ合わせる。
  4. 大きめのボウルに、春菊、油揚げ、白髪ねぎを入れ、③を加え和える。

そして。見た目は地味ながら、実はスタッフの間で評判となったのが、ピーマンのくたくた味噌煮。

ヘタと種を取り、4分の1に切ったピーマンをごま油でさっと炒め、水と煮干しだしを破って加え、蓋をして煮ます。仕上げに味噌とみりんを加え、水分を飛ばしながら、煮絡めるとできあがり!

「ピーマンと煮干しだしの魚介、ちょっと甘い麦味噌との相性がとってもいいんです」

ほんのり苦味と、甘辛みがまじりあう。これぞ最強のごはんのおともです。


詳しい材料とつくり方はこちらから、どうぞ(ぽちっ)

ピーマンのくたくた味噌煮のつくり方 ピーマンのくたくた味噌煮のつくり方

[材料](作りやすい分量)

ピーマン

8個

100ml

味噌

大さじ1

みりん

小さじ1

ごま油

大さじ1

[つくり方]

  1. ピーマンは縦半分に切り、ヘタ、種を取り、半分の長さに切る。
  2. 鍋にごま油を熱し、ピーマンを加えさっと炒める。
  3. 水、袋を破った煮干しだし加え、蓋をしてくたっとするまで煮る。
  4. 蓋を取り、味噌、みりんを加え水分を飛ばしながら煮絡める。

新米は、五穀豊穣のシンボル。

こうして秋がやって来て、実ったことへの、決して当たり前じゃないよろこびを、感じながら、噛み締めながら……

いただきます!

ありがたいことに、毎回ご好評をいただいているインスタライブ。4回目は「きのこのジョン」「焼き油揚げと春菊の胡麻あえ」をつくり、生配信いたします。みなさんからのご質問も、その場でどんどんお答えいただけますよ。

広沢京子さんに教わる秋の新米に合うおかず|11.13(土)開催

開催日時
2021年11月13日(土) 16:30〜
茅乃舎公式インスタグラム(@kayanoya.official)にて

広沢京子さん
雑誌、書籍、広告におけるレシピ制作・スタイリング、飲食店のプロデュース、生産者と消費者を繋ぐ料理会の企画など、幅広く活躍中。現在は、自然あふれる福岡県糸島市に在住。

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