よろこびをほおばる。春野菜の活かし方

なんだって、お尋ねしたくなっちゃうのです。親しみと優しみが、その表情や動きから、じゅわっと染み出てくるようなお人柄の料理家・広沢京子さん。なのでつい、

「この豆、どうしてこんなにかわいいんでしょうね」

なんて、答えに困るような質問も、ぶつけたくなってしまうのです。

「んー……春だから?」

広沢さんは目をくるりとさせながら、そう答えます。

「この淡くてうすいグリーンが、春なんだと思います。野菜の色って、夏に向けてどんどん濃くなってくるので」

感覚的なこともちゃんと受け取りながら、ハッとするような答えで、いつも私たちを導いてくれるのでした。

茅乃舎の公式インスタグラムで、料理レシピを担当くださっている広沢さん。撮影時の心ほころぶやりとりを、いっそ、みなさまとも分かちあいたくて。インスタライブを決行したのが、去る夏の終わりのこと。

それがとても、とても好評だったこともあり、季節ごとにやってみよう、ということになりました。

今回のお題目は「春の野菜をおいしくいただく」。広沢さんに、ご考案いただきました。

インスタライブは5月8日(土)開催。
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空豆の繊細な色と食感を、おだしとともに


豆のリゾット
[材料](2〜3人分)

1合

空豆

16粒(むき身60g)

新玉ねぎ

80g

A

茅乃舎だし

2袋

700ml

パルメザンチーズ

40g

オリーブ油

大さじ2

少々

粗挽き黒胡椒

少々

[つくり方]

  1. 玉ねぎはみじん切りにし、空豆はさやから取り出し皮を剥く。パルメザンチーズは仕上げ用を残し、おろしておく。
  2. 鍋に【A】を入れ、中火にかけ沸騰2~3分煮出し、だしパックを取り出す。だしは弱火にかけながら熱々にしておく。
  3. フライパンにオリーブ油を熱し、米は洗わずに入れ、玉ねぎも加え炒める。
  4. 米が透き通ってきたら空豆を加え、熱々のだしをひたひたになるくらいまで注ぎ、中弱火で煮る。水分が少なくなったら、再度ひたひたくらいまでだしを注ぎ足して煮る。途中、米の硬さを確認して少し芯の残るアルデンテの状態にする。
  5. 火を止めて、すりおろしたパルメザンチーズを加えてさっと混ぜ合わせ、塩を加えて味を調える。器に盛り、仕上げ用のパルメザンチーズを削り、粗挽き黒胡椒をふる。

ポイント

炒めることでお米を油でコーティング。水分の吸収を穏やかにし、べちゃっとならないようにします。また4の工程では、混ぜすぎると粘りが出てしまうので注意しましょう。

春だからかなう!明るいグリーンを食卓に


「春になった!と感じたとき、パッと思い浮かべるのは、豆。あのきれいな緑を生かしたくなるんです」

リゾットと一緒につくってくれたのは、卵と豆のフリッター。グリーンとイエロー、春の夢のように淡くはかない色あいのオープンオムレツです。

つくり方は、かんたん。袋を破ってお好みのだしを加えた卵を、スキレットのような小さめのフライパンに流し込み、茹でて皮を剥いた空豆を、上に乗せて焼くだけ。

空豆のホクホクッとした食感とあいまって「卵は下はカリカリ、上はトロトロ、両方を楽しめます」

新玉ねぎに春色をまとったサラダ


新玉ねぎと鯛と柑橘のサラダ

ドレッシング
[材料](作りやすい分量)

茅乃舎だし(袋を破って)

1袋

新玉ねぎ(すりおろし)

大さじ3

柑橘(甘夏)果汁

90ml

小さじ 1/4

米油

大さじ2

[つくり方]
油以外のすべての材料をボウルに入れて混ぜ、最後に油を加えてよく混ぜ合わせる。

サラダ
[材料](2人分)

新玉ねぎ

1/8個

鯛(刺身用)

80g

柑橘(甘夏)

1個

葉野菜(ルッコラ、ワサビ菜、水菜)

80g

ドレッシング

大さじ2

ひとつまみ

フェンネルの花

適量(あれば)

[つくり方]

  1. 玉ねぎは繊維を絶つ方向に薄切りにする。葉野菜は葉を一口大にちぎり、茎の部分は細かく小口切りにする。鯛は斜め薄切りにする。
  2. 柑橘は皮を剥き、小房に分け、タネを取る。果肉が残った皮の部分は手でぎゅっと絞る。(果汁はドレッシングへ)
  3. ボウルに、葉野菜の葉の部分、玉ねぎ、柑橘、鯛を入れ、塩を加えてさっと和える。さらにドレッシングを加え、大きくさっと和える。
  4. 器に盛り、葉野菜の茎の部分とフェンネルの花を散らす。


“新”とつく野菜は、さっと。調理の仕方も変わります。

「あとは、“新”とつく野菜、新玉ねぎや、新じゃがも出てきますね。野菜自体に水分がすごく多いし、フレッシュで甘みがぜんぜん違う。いつもより調理もさっと、短くできます」

新玉ねぎを切るときのコツをうかがうと、最後のほうは倒して、もしくは上を外してから切るといいそう。

「新玉ねぎは水分が多くて、切るときに“にゅる”っとなりますよね。無理に押さえると滑って危ないので、安定させてから切ってください」

苦みはうまみ。苦みを欲する体にしたがう。


サラダに使った葉野菜は、ルッコラ、ワサビ菜、水菜。フェンネルなどのハーブのたぐい。「なんでもいいのですが、今日選んだのは、ちょっとクセがあるもの。アクが強すぎるものは、水にさらさないといけないけれど、さらしすぎないのもコツ。苦みがうまみだったりもするので。


こうやって、あらかじめ茎の部分を分けておいて、刻んであげると、食べやすくなります」

「春の、ほんの短い時期ではあるけれど、ほろ苦いものを欲する時期ってありませんか?」と、広沢さん。

「それは毒出しをしたがっている、ということ。体ってすごいなぁと思います」

旬のものは「食べなきゃ」と取り入れるものでは決してなく。自分の「食べたい」に、心を傾けることから。そう教えてくれているようでした。

インスタライブでは「空豆のリゾット」をリアルタイムで!教えていただきます。広沢さんに直接、質問ができるチャンスですよ。

広沢京子さんに教わる春の空豆料理

開催日時
2021年5月8日(土) 16:30

茅乃舎公式インスタグラム(@kayanoya.official)にて


広沢京子さん

雑誌、書籍、広告におけるレシピ制作・スタイリング、飲食店のプロデュース、生産者と消費者を繋ぐ料理会の企画など、幅広く活躍中。現在は、自然あふれる福岡県糸島市に在住。

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