季節の自家製、春キャベツをまるごと使う。
ふんわり、お花が咲きほこるように。
みずみずしく、鮮やかなグリーンが生命力にあふれた、春キャベツの季節がやってきましたよ!
固くて締まりのいい冬のキャベツと明らかに違う、旬ならではのたたずまいに気分揚々と、ひと玉まるごとカゴに入れた途端……
「あっ」
ずしっとくる重さと大きさ。「うまく使いきれるかしら」「冷蔵庫に入りきるかしら」とあれこれ思い悩む、その前に。「季節の自家製をたのしむ」連載の先生、minokamoさんに相談です。先生なら、春キャベツをどう使いますか?
「ひと玉ごと、最初に浅漬けにしちゃうのはどうかしら。
漬物は、簡単に言えば『いかに水分を出すか』がポイントです。昔ながらのやり方だと重石を使ったり、大きさの違うボウルを重ねたり。ただ難しいお宅も多いと思うので、その場合はジッパー付きの保存袋が便利です」
すると、ほら!
ひと玉が、ここまでコンパクトになります。「特に春キャベツは柔らかいので、30分くらいで驚くほどしんなりするんです」
ということで、この春もマンションサイズの自家製をたのしみましょうよ、ね。
浅漬けキャベツのつくり方
まずは、キャベツを切りましょう。1/4に切って根元の芯は取り除いて洗いよく水を切り、葉っぱにある硬い部分も、別に削ぎおとしておきます。
それを斜め薄切りにすることで、全体がしんなりします。
キャベツと生姜を半分ずつに分け、Lサイズのジッパー付き保存袋へ。塩も何回かに分けて加えます。
春キャベツが半玉で500gだと換算すれば、塩は10g。重さの差がある場合、「塩の分量は2%」と覚えておき、調整しましょう。「塩分の比率を強くすれば、味はしっかりとなって保存もききますが、今回は料理の素材として使いたいので、控えめにしています」と、minokamoさん。
30〜40分ほど経ってしんなりしたところで、袋ごとぎゅっぎゅっと数回押し、太巻きの要領でくるくるっと巻きます。圧をかけて空気を抜くことで、水分が出やすくなるのです。
さらに1時間ほど経つとより食べごろに、また翌日になるとさらにしんなりとなり、ご賞味いただけます。
浅漬けキャベツ
[材料]
キャベツ
1玉(芯を除き、ひと玉で1kg換算)
塩
20g(キャベツの重さに対して2パーセント)
生姜
1/2片
[つくり方]
- キャベツを1/4等分にカットして芯を除き、さっと洗う(葉をばらして全部洗う場合は、水分をしっかり切る)。生姜は皮つきのまま千切りにする。
- 大きな芯は包丁で削ぎおとし、斜め薄切りにする。葉は幅2cm、長さ5cm位を目安にカットする。
- 2つのジッパー付き保存袋にそれぞれキャベツ半玉分(500g)と生姜半分、塩10gずつをを数回に分けて入れ、袋の外からざっくり混ぜる。そのまま30〜40分ほどおく。
- 袋の上からぎゅっぎゅっと手で揉んで、空気を抜きながらくるくる袋を巻き、ジッパーをする。
春キャベツづくしの“町中華”定食風。
さて、おたのしみ。浅漬けキャベツをおいしく料理にアレンジする番です。今回のテーマはずばり、町中華!
「中華料理のいいところは、素材もつくり方もシンプルなのに、いろいろなバリエーションができるところ。とくにキャベツはシャキシャキさせたり、くったりさせたりと調理法によって食感も変わるので、飽きないんですよね」
今回は、2品セット×2パターンの定食風にご案内。あなたなら、どちらを注文しますか?
A定食 春キャベツの和漢だし焼きそばとキャベツのスープ
春キャベツの和漢だし焼きそば
[材料](2人前)
浅漬けキャベツ
300g
千切り生姜
1/2片分
むし焼きそば
1袋
鶏ひき肉
100g
醤油
小さじ1
日本酒
大さじ1
小さじ1
万能ねぎ
(お好みで)適量
オリーブ油
大さじ3
黒胡椒
適量
[つくり方]
- 浅漬けキャベツは手でぎゅっと水分をきっておく。焼きそば麺は500wのレンジで1分加熱し、ほぐしておく。万能ねぎは小口切りにする。
- フッ素樹脂加工のフライパンにオリーブオイル大さじ2と生姜、醤油、日本酒、鶏ひき肉を入れ強火で熱し、鶏肉に火が通ったらキャベツ、和漢だしを入れ、キャベツがくったりしたらボウルなどに出しておく。※鉄フライパンの場合は、しっかり熱くしてから油、具材を入れる。
- ②のフライパンにオリーブオイル大さじ1と焼きそば麺を入れて強火で炒め、②を入れて混ぜ、火を止める。万能ねぎを入れ、黒胡椒をかけたら出来上がり。
麺はひとり半玉でも十分。
「キャベツがたっぷりな分、焼きそばは2人前で1袋にしても十分、糖質の少ないローカーボメニューになりますよ」。しっかり炒めるというより、さっと加熱する程度で大丈夫。
「またキャベツと麺は別々に炒めることで、水分が飛びやすく、軽やかに仕上がります」
あまった和漢だしはスープに。
袋を破ってしまった和漢だしの残り。こちらもちゃんと救済アイデアを出してくださいました。
春キャベツの和漢だしスープ
[材料](2人前)
[つくり方]
- 鍋に全ての材料を入れ、加熱したら出来上がり。
「お好みでねぎや生姜などの薬味、残り野菜を入れてもよさそうですね」
B定食 春キャベツのうま煮と浅漬けキャベツの中華風
春キャベツのうま煮
[材料](2人分)
[つくり方]
- 鍋に水と椎茸だしを入れ、中火で加熱する。箸でだしを揺らし、ふつふつしてきたら火を止め、1分程でだしパックを取り出す。だしがらは捨てずにとっておく。
- 豚バラ肉は長さ5cmに切ってフライパンに入れ、薄口醤油と混ぜる。油を入れて強火で熱し、豚肉に火が通ったら①のだしを入れる。沸騰したらキャベツを加え、さらに沸騰したらAの溶き片栗粉を入れ、混ぜれば出来上がり。
フライパンひとつで、さっと加熱するだけ。
ポイントはボウルを使わず、調味を含めてフライパンひとつでできること。「少しでも洗いものを減らしたい」というminokamoさんの心遣いです。
さっと加熱するだけで、あっという間にできあがり。「さらに、くったりキャベツが好きな方は、2分ほど煮込んでいただいてもよいと思います」
中華風浅漬けキャベツ
[材料](2人分)
浅漬キャベツ
100g
人参
(お好みで)1/4本
ごま油
大さじ1
椎茸だし
だしがら
七味
お好みで
[つくり方]
- 人参は千切りにする。すべての材料を混ぜて出来上がり。
だしがらも活用しましょう。
「椎茸だしって椎茸が入っているので、捨てるのはもったいないなぁと思って」
と、主婦の味方minokamoさん。うま煮で使った椎茸だしのだしがらを、残りの浅漬けキャベツに加え、付け合わせにしました。
「今回は中華風にアレンジしましたが、変化球だとキムチに挑戦するのはいかがかしら。浅漬けキャベツ100gに、豆板醤小さじ2混ぜるとできますよ」
そんなこんなで、ふたつの定食をつくったところ、あっという間にひと玉ぺろり。「お子さんがいるご家庭であれば、もうひと玉、仕込んでおいてもいいかもしれませんね(重いけど)」
minokamoさん
岐阜県美濃加茂市出身。 料理家、写真家。 「ごはんで町を元気に!」をテーマに、各地でその土地に根差したメニュー開発、キッチンプロダクトのフードコーディネート、雑誌へのメニュー提案ほか、各世代がつながるイベントも開催。 味噌料理も得意とする。
やさしい和漢だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/wakandashi/584500/
椎茸だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/shiitakedashi/675700/
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