しあわせに胃を休めるレシピ5選。

「休む」ことが罪悪感なく、もっと自然にできればいいなと思います。あなたをいたわる、それはあなたしかできないことも、きっとあるはずですから。

ふだんよりもちょっと豪勢になる、年末年始のごはん。ごちそうを食べて、おいしいと言いあえたり、ひとりしみじみとしあわせを感じたり。

そんな時期から、ちょっとひと息ついて。さあ、今こそ「胃を休める」ときです。

とはいえ、おいしいものは食べたいですよね。わかってますよ。

そこでレシピ担当の田原が、だしを使った2000以上あるストックから、おいしく、やさしく胃をいたわるさっぱり料理を、選びました。

大根と生姜のおろしおろし汁


まずは最強の「胃にやさしい」食材のコンビネーションが光る一品。食べものを分解する消化酵素が多分に含まれる大根と、同じく胃の消化吸収を助け、負担を軽減してくれる生姜。だしの効果もあいまって、あなたを“よってたかって”いたわってくれるレシピです。

ポイントは、こちら。

鬼おろしを使って、粗いおろし大根にすること。さらにこのシャキシャキ感を損なわないためには、食べる直前におろすと、よりよし。

シンプルな分、煮干しだしの香りやうまみが強く感じられます。それを生姜と大根が、すっーとおさめてくれるような感覚。そしてやっぱり印象的なのは、大根とねぎの歯ごたえ。さらっとお汁とともにかきこんで、奥歯でシャキシャキッと軽快な食感を楽しむ。

これが、クセになるのです。

田原

鬼おろしがあると、大根を粗くおろすことができ、シャキシャキ感がいっそう楽しめます。なければ普通のおろし金でも。ほんのり味噌味で、食欲がない時もするすると食べられますよ。

大根と生姜のおろしおろし汁 大根と生姜のおろしおろし汁

[材料](2〜3人分)

大根

150g

生姜

1片

長ねぎ

1/8本

A

400ml

合わせ味噌

大さじ1

七味唐辛子

適量

[つくり方]

  1. 大根は鬼おろしで粗いおろし大根に、生姜はおろし器でおろす。長ねぎは薄切りにし、水にさらす。
  2. 鍋に【A】を入れて火にかけ、沸騰後、中火で4~5分煮出し、弱火にして味噌を加える。
  3. ①のおろし大根を加え、温める。
  4. 器に盛り、生姜、長ねぎを添え、七味唐辛子をふる。

冷やごはんがあれば、ぜひお試しを。

クリーミーで温和な味わい
豆乳がゆ


おかゆと言えば「風邪のときに食べるもの」という思い出があるからでしょうか。どこか素っ気なさを感じてしまうものの、「豆乳」とついたとたん、そこにふくよかな旅情が醸されます。そう、台湾です。現地で豆乳は「豆漿(ドウジャン)」と呼ばれ、朝食の定番として親しまれていること、きっとご存知の方も多いですよね。

いただくと、茅乃舎だし+豆乳のすこぶるの相性のよさを味わっていただけることでしょう。あったかでクリーミーなおいしさがとろり、おなかにやさしく落ちていく。お好みでごま油を少したらせば、さらに香ばしさとコクが増し、満足感を得られます。心は遠く海を越えて、エネルギーと滋味あふれる台湾へ。さぁ、行ってらっしゃい!

田原

豆乳を入れたら、グラグラと沸騰しないよう火加減には気をつけて。弱火で温めるぐらいで十分です。豆乳を使うことで柔らかくしあがるので、風邪をひいている時や体調がすぐれない時にも、ぜひお召し上がりください。

豆乳がゆ 豆乳がゆ

[材料](2人分)

A

ごはん

150g

300ml

無調整豆乳

200ml

油揚げ

1枚

あおさ

5g

[つくり方]

  1. 鍋に【A】を入れて火にかけ、沸騰したら弱火で2分、豆乳を加えてさらに約2分煮込む。
  2. 塩(分量外)で味を調え、器に盛る。トースターでカリカリに焼いた油揚げ、あおさを薬味に添える。お好みでごま油をたらす。

“行ったつもり”になれる、おいしい旅。さて、次はどこの国へ?

韓国の茶碗蒸し
ふわふわすぎる!ケランチム


ご存知でしょうか、ケランチム。卵をたっぷりと使った、韓国の蒸し料理です。日本の料理にたとえると、さしずめ茶碗蒸し。鍋にスープを煮立てて溶き卵を加え、蓋をして蒸してつくります。決め手は、えもいわれぬ卵のふわふわ感。そして煮干しだしが、ここでもしっかりいい仕事をしてくれます。

まずは、蓋を開けた瞬間!そのルックスに、目も心もめろめろになります。なんておやさしい姿でしょう。食べてみても期待は裏切らず、卵のやさしさ、だしのやさしさが、どこまでも、順ぐりに訪れます。
胃がきりきりしたり、心がとげとげしたら、しあわせを呼ぶ黄色いケランチム、ぜひお試しを。無心になって卵を混ぜるその工程から、癒しは始まっていますよ。

田原

ふわふわに仕上げるコツとしては、卵とだし汁が均等に混ざっている状態にすることです。ヘラや大きめのスプーンなどで、ざっくりかき混ぜてください。蓋をしたら、弱火で蒸しあげるように仕上げてくださいね。

ケランチム ケランチム

[材料](2人分)

3個

A

250ml

B

砂糖

ひとつまみ

小さじ1

C

ごま油

適量

煎り白ごま

適量

青ねぎ

適量

[つくり方]

  1. ボウルに卵を溶きほぐし、【B】を加えて混ぜ合わせる。
  2. 小鍋に【A】を入れて火にかけ、沸騰後中火で4~5分煮出し、だしパックを取り出す。
  3. ②に①を加えて大きくかき混ぜ、混ぜながら中火にかける。全体に火が入ったら弱火にしてアルミホイルで蓋をし、膨らんできたら【C】をのせる。

そして、こちらは日本の茶碗蒸し。でも違うのは?

うどんが入った茶碗蒸し
小田巻蒸し


胃に負担はかけたくないけれど、しっかりおなかいっぱいにはなりたい。そんなあなたへのおあつらえむき、小田巻蒸しをご紹介しましょう。
だしが効いた、まろやかな味わい。とろ〜りとした茶碗蒸しに、うどんがよいぐあいにからみます。ルーツは大阪の郷土料理ですが、福岡のもちもちっとした柔らかいうどんにも、てきめんに合います。

もしよろしければ、これはぜひ、椎茸だしでお試しいただきたいのです。全体はいたってやさしい風味なので、椎茸のうまみが輪郭をもたらし、 ぐっとおいしさを持ち上げてくれます。

田原

食欲がなくても「うどんなら食べれるかな」という気分のときありますよね。この小田巻蒸しなら、うどんで糖質、卵やささみでタンパク質がとれます。まさに良いところどりのお料理です。

小田巻蒸し 小田巻蒸し

[材料](2〜3人分)

2個

A

海老

3尾

生椎茸

3枚

かまぼこ

6枚

うどん(茹で)

1玉

鶏ささみ

50g

B

500ml

C

うす口醤油

小さじ1

みりん

小さじ1

小さじ1/2

三つ葉

適量

[つくり方]

  1. 鍋に【B】を入れて火にかけ、沸騰後、中火で2~3分煮出して冷ましておく。海老は殻と背わたを取り、椎茸は薄切りに、鶏ささみはそぎ切りにする。
  2. ボウルに卵、だし汁(400ml)、【C】を加えて混ぜ合わせる。
  3. 大きめの茶碗に【A】を入れ、②をこしながら加える。
  4. 蒸気の上がった蒸し器に③を並べ、強火で2分、弱火で8~10分を目安に蒸し、三つ葉を添える。

だけど、そこまで食欲もないのよね、というあなたには。

胃がキリキリしたときの、切り札に。
昆布だしと梅干しのクイックおすまし


これ、よいです。前の晩に脂っこいものや洋食を食べたときの朝や、お昼をたくさんいただいて、まだずっと胃に残っている感じの夜。昆布だしのとろみ、梅干しの酸味が、何も食べないよりも、むしろホッと胃を休ませてくれる魔法のよう。そして、飲めば胃を活性化させて「もう少し、何か食べてみようかしら」という気にさせてくれるから不思議です。

胃がキリキリとしたときの、切り札としてどうぞ。

田原

私は個人的にも梅干しが好きで、実家でよく食べていました。食べすぎたなという日の翌朝に胃がもたれていても、これならさっぱり飲める。昆布はちょっと甘みがあって、魚系のおだしよりも飲みやすく、後に残らないやさしさがありますね。

昆布だしと梅干しのクイックおすまし 昆布だしと梅干しのクイックおすまし

[材料](2人分)

梅干し

1個

昆布だし(袋を破って)

1袋

[つくり方]

  1. 器2個に梅干し、昆布だしを等分に入れ、それぞれ熱湯を150ml注ぐ。お好みであられを加える。

「休む」ことは、いつかやってくる力を、ぞんぶんに発揮し、あますところなく楽しむための、必要で前向きなプロセス。

とくに今は、寒いから、どうぞあったかくして。
「ごくろうさま」と心でとなえながら、ゆっくりと胃を、お休みなさい。

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