老舗・荒物問屋に教えてもらう、竹ざるとのおつきあい

できるかぎり自然の素材からなるもので、料理や掃除など毎日の営みにちょうどいい。茅乃舎がそんな生活道具を探し求めるうちに、1945年創業の荒物問屋・松野屋と出会いました。毎日使うものこそ、ちょっといいもの、確かなものを。そんなお考えも、茅乃舎の商品づくりと重なります。今回は松野屋の定番である「真竹角型ざる 尺」のご紹介です。

工芸品でも大量生産でもない「はたらく道具」

松野屋が取り扱う荒物は、町工場のバケツや農家が編んだ箒(ほうき)、アジアの国々で見つけたカゴバッグなど、種類も産地もいろいろです。共通するのは代表の松野 弘さんが現地に足を運んで出会った、使い勝手がよく丈夫なものであるところ。作り手との仲が深まり、オリジナル商品を依頼することもありますが、そんな時も手の届きやすい価格は保ったまま。工芸品でなく「はたらく道具」であるのが伝わります。

最初の竹ざるには、あれこれ使いやすい角型を


松野屋が選んだ荒物のなかで、家の「はたらく道具」に仲間入りさせたいのが「角ざる」です。産地は、昔から竹ざるで知られる新潟県の離島、佐渡。そこに暮らす人々の手で編まれたもので、しっかりした網目は長い年月が経ってもほつれにくく、使い込むほどに味わいが増していきます。蕎麦や素麺を盛り付けるなど、松野さんも日常的にご自宅で使われています。

佐渡で育った竹を、佐渡の方々がざるに編む


素材は佐渡の島内で育った真竹です。地元の作り手はそのしなり方、曲がり方などの特性を熟知しているため、質のいい角ざるが完成します。「海外の工場に『同じものを作ってほしい』と依頼しても思い通りに仕上がらないんです。それは竹の種類も特性も気候も違うからですよ」と松野さん。現在、仕入れの関係で縁部分の籐は外国産を使用。ステンレス線で強度を高めています。

ぼちぼちと編まれるざるを、気長に待っています


作り手のみなさんは、オフシーズンを迎えた農家の方々や定年退職後に佐渡へUターンした男性などいろいろです。80代のおばあちゃんが60代の婿殿に編み方を教えるのもよくあること。還暦を過ぎてからでも作り手になれ、その人の第二の人生を豊かにしてくれるのも荒物の面白みのひとつです。「いくつになっても仕事があるのはいいことです。『ざるのおかげで、孫の結婚ご祝儀をふんぱつできたよ』なんて話を聞くと感動します」と松野さん。


豊かな自然が残り、ざるの材料になる真竹が育つ佐渡。ざるの受注や納品は作り手を取りまとめる地域のリーダー(親方)がなさっています。作り手をせかすことなく、ぼちぼち編んで、ぼちぼち納品してもらうのが松野屋流。作り手はお年寄りが多いので、マイペースに楽しみながら、長く仕事を続けてほしい。それが松野さんの願いです。

角ざるなら、野菜を入れてもぐらつかない


松野屋で取り扱っているざるはサイズも形もいろいろですが、その中からこの角ざるを選んだのは、使い勝手がとびきり良いからです。茹でたての小松菜の葉を広げて乗せることもできますし、トウモロコシやアスパラなど細長い形状の野菜が不安定に転がってしまうこともありません。大きさはA4サイズくらいです。

干し野菜や梅干しなどの保存食づくりにも


このサイズの角ざるは、茅乃舎とおつきあいのある料理家のみなさんにも好評です。「平べったくてトレイのよう。干し野菜にちょうどいい」「梅干しもきれいに並べて効率よく干せる」などの声もいただけました。大きなざるを保管するスペースを確保しにくい、現代の住宅事情にもちょうどいいのです。

温かいおかずもそのまま乗せられます


ざるに盛り付けると不思議と雰囲気が増します。

竹なので、見た目よりもつるっとした手触り。使う前にさっと水を通して拭いておけば汚れ防止になり、おにぎりの米粒などもくっつきにくくなります。温かいおかずはそのまま乗せてOK。程よく熱と蒸気が抜けていきます。天ぷらなど油ものの場合は、紙ナフキンを敷くと安心。油染みがついてもそれを味わいと呼べるのが自然素材のいいところです。

おしゃれなザルの使い方、新提案


テーブルコーディネートで真似したいのは、角ざる✕パンの組み合わせ。バスケット感覚で洋の食材と合わせるとセンスを感じる食卓に。「ナチュラル雑貨が好きな若い世代のお客さんが、新しい使い方を教えてくれるんですよ」と松野さん。一方で年配の方が「懐かしい」と目を細められることも多く、世代を問わず、使う方の価値観で選ばれています。

小ぶりな水切りかごとして、食器洗いをここちよく


ちょっとした量の洗い物なら、この角ざるひとつで充分。キッチンのなかで場所を取る、水切りかごの存在に悩むこともなくなります。ただし湿った状態が長く続くと黒ずみやカビの原因になりますので、長時間ぬれたまま放置するのはお控えください。

日常的な道具のお手入れはシンプルがいい

日々のお手入れで竹素材の経年変化を楽しめます

野菜の水切り後のお手入れは、さっと流すだけで充分です。汁気・油が気になる時は中性洗剤で洗い、よくゆすぎましょう。網目の内側に蕎麦の切れ端やご飯粒がこびりついたら「タワシでザザッと落とすと簡単に取れます」と松野さん。梅干しなどを干すと色移りすることもありますが、それは我が家のおいしさの記憶になります。

洗った後は、ちゃんと水切り


洗った後は、風通しの良いところで乾かせばお手入れ完了。角型だから転がりませんし、立て掛けると水切りもスムーズです。洗濯バサミではさめる厚さ・重さなので、時にはベランダで干して日光に当ててあげるのもいいでしょう。定期的にしたいお手入れは熱湯消毒。洗った後に熱湯をまわしかけると乾きも早く、殺菌効果が期待できます。

2cm程の幅で収納OK。毎日の出し入れがラクラク


縁がせり上がっておらず、厚みがないのも、松野屋の角ざるのいいところ。数枚重ねて平置きしてもスペースを取りません。キッチン収納棚のスキマに立てかけてしまうのもおすすめです。軽いので子どもやお年寄りも安心して扱えます。角ざるの使い勝手のよさと「はたらく道具」とともにある暮らしを、ぜひお楽しみください。

※大変ご好評をいただき、本商品は完売いたしました。ありがとうございました。

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