きらくに発酵教室①発酵柚子胡椒を作りましょう

もう、みなさんもご存知ですよね。

発酵食品がおいしいだけじゃなく、腸をすこやかにし、免疫を整えるのに役立つこと。

だからこそ、手作りしたい、暮らしに取り入れたい。けれど、実際に自分がつくるとなると、ハードルが高いのも事実。

子どものように面倒を見なきゃいけないんでしょう?(そんな余裕ないわ)
一度にたくさん仕込まないといけないんでしょう?(そんなに食べきれないわ)

これらの「でしょう?」な問題を、折々の会のみなさんで学んで、一緒に乗り越えてまいりましょう。

ご案内したいのは、気楽な発酵食品のつくり方と、取り入れ方。講師は、江戸時代から続く醤油蔵や糀屋さんが残る兵庫県たつの市で、発酵教室を営む発酵 LabCoo(ラボクー)さん。季節に合わせたテーマで、1年間に亘って教えていただきます。

発酵LabCooの主宰のひとり、松下美幸さん。

ウェブ上の発酵教室、はじまります!

柚子胡椒+米糀がもたらす味わいと働き

松下美幸さん(以下、美幸さん)

今日は1回目ということで、教室でもすごく人気のある発酵柚子胡椒を作りたいと思います。

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柚子胡椒に発酵……ですか?

美幸さん

そうなんです。糀を入れることで、まろやかさを出そうと思い、発想しました。

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もともと柚子胡椒といえば、ピリッとした辛さが特徴ですよね。

美幸さん

もちろん辛さはあるんですが、そこに厚みや深みが増します。さらに仕込んだ直後より時間をおくことで、どんどん味が一体化して、まとまっていく感覚も味わえると思います。

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どのくらい寝かせておくのですか?

美幸さん

冷蔵庫で1週間程度馴染ませると食べることが出来ますが、1ヶ月ほどおくと、さらに熟成が進んでいきます。

仕込んだ直後(左)と、1ヶ月後(右)。味わいも色も変わってきます。

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米糀はどんなものを使いますか?

美幸さん

実はうちの向かいが糀屋さんで生の糀が手に入るのですが、ここでは手に入りやすく、長持ちもする乾燥の糀を使います。

さらに、その米糀の働きを詳しく教えてくれたのは、もうひとりの主宰である、発酵博士の松下裕昭さん。

松下裕昭さん(以下裕昭さん)

米糀にはたくさんの種類の酵素が含まれています。酵素は、言わば「はさみ」のような役割で、たんぱく質をチョキチョキと切って分解してあげたり、小さなアミノ酸を作って、うまみを引き出してくれるんですね。

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なるほど、酵素の力で味わいが違ってくるんですね。

美幸さん

また青柚子と青唐辛子は、今の時期にしか採れない素材。秋が深くなるにつれ唐辛子は赤く、柚子は黄色くなります。仕込める期間が少ないので、ぜひこの時期に。

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先生!赤い唐辛子じゃだめですか?

美幸さん

大丈夫ですよ。香りと見た目の色が違ってきますが、どちらもおいしいです。

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(味見して)はっ!ほんとですね。さらに柑橘特有の酸味が増して、これはこれの良さがありますね。

では、作り方を教えていただきましょう。

まろやかな辛みと柑橘の香り
発酵柚子胡椒

[材料]

青柚子

10個(100g)

青唐辛子

100g

40g(青柚子+唐辛子の20%)

米糀

40g(塩と同量)

青柚子の絞り汁

大さじ1~2(1個分)

[つくり方]

  1. 青柚子は皮をすりおろす。もしくは白い部分が入らないように薄く剥き、細かく刻むか、フードプロセッサーにかける。
  2. 青唐辛子を細かく刻むか、フードプロセッサーにかける。
  3. 糀を刻んで塩と馴染ませる。
  4. すべてを混ぜ合わせる。
  5. 清潔な容器に入れて、冷蔵庫で1週間寝かせる。

美幸さん

青唐辛子の種はお好みですが、入れても入れなくても良いです。また、青唐辛子の処理は刺激がかなり強いので手袋は必須です。

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青柚子の皮は、ピーラーで剥いてもいいですか?

美幸さん

もちろんかまいませんよ。またすりおろしてもOKです。いずれにせよ白い部分は苦味が出るので、できるだけ入らないようにしてください。また10個分の作業はけっこう時間がかかるので、家族やお友だちと一緒にお話をしながらだと、楽しくできるかもしれません。

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できた柚子胡椒の活用方法も、ぜひ教えてください。

美幸さん

そうですね。まずおすすめしたいのは、肉を漬け込むこと。じわじわ〜と味が染み込みますので、あとは焼くだけで、驚くほどおいしくできあがります。


さっそく、レシピをご紹介しましょう。

かんたんに柔らかく、複雑な味わい。
鶏肉の柚子胡椒焼き


[材料]

鶏もも肉

1枚

発酵柚子胡椒

小さじ1

みりん

大さじ1

[つくり方]

  1. ボウルに袋を破った昆布だし、発酵柚子胡椒、みりんを入れ混ぜ合わせる
  2. 鶏もも肉に1を揉み込み、冷蔵庫で2~3時間おく(時間があれば、一晩おく)
  3. フライパンで蓋をして両面を焼く。焦げやすいので注意する。

美幸さん

また、だしを使った料理との組み合わせで、とても美味しくできあがったのが、ぶりの味噌煮。

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味噌も発酵食品ですし、相性よさそうですね。

美幸さん

そうなんです。発酵柚子胡椒がいいアクセントになりますし、すぐにできますので、ぜひ作ってみてください。

染み入るうまみとアクセント
ぶりのだし味噌煮と柚子胡椒


[材料]

ぶり

2切れ

250ml

A

お酒

大さじ2

みりん

大さじ2

味噌

大さじ2

砂糖

大さじ1

生姜

大さじ1(すりおろし)

[つくり方]

  1. ぶりに熱湯をかけてくさみを落とす。
  2. 鍋に茅乃舎だしと水を加え火にかけ、沸騰後中火で2〜3分煮出す。だしパックを取り出し、Aを加え、軽く煮立たせる。
  3. ぶりを加えて落とし蓋をして弱火で4分煮る。
  4. 器に盛り、発酵柚子胡椒(分量外)を添えていただく。

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味噌煮にしては、だしがけっこう多めですね。

美幸さん

そうですね。あまり煮詰め過ぎずに、汁気をたっぷりかけていただくとよいと思います。

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そのまま飲めそうな勢いですね。ごはんといっしょに食べたくなります。

美幸さん

鶏肉の柚子胡椒焼きもそうですよね。ごはんにぴったりのおかずです。

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あと、日持ちはどのくらいするのですか?

美幸さん

今回の発酵柚子胡椒レシピは保存性のことも考えて塩の分量を決めましたので、冷蔵庫に入れて密閉すれば、1年は持ちますよ。ただどんどん風味が落ちてくるので、数ヶ月くらいで使い切れる量を仕込むとよいと思います。

裕昭さん

塩だけでなく、唐辛子の辛みにも殺菌効果がありますので、柚子胡椒は、まさにその合わせ技で保存性が高いんです。

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なるほど。さっそく青柚子と青唐辛子を手に入れて、自分で発酵ものを仕込む楽しさと美味しさを感じたいと思います。今日はありがとうございました。

九州では「冷蔵庫に常備してる」という人もあまたいるでしょう。それほど、うどんに煮物、炒め物などなんでも使える、味をキュッと引き締めてくれる、柚子胡椒。今回のレシピなら、手作り発酵の第一歩を踏み出せそう。

さあ、発酵を日常に。みなさんで、少しずつ。

おまけ:発酵LabCoo の発酵だより

肌寒くなってくると、あったかい甘酒が飲みたくなります。私たちがよく作るのは、ココア。適量の水で薄めた200mlの甘酒に、スプーン一杯ていどのココアパウダーを入れ、混ぜながら煮立たせます。不思議なことに甘酒だとダマにならず、すぐに溶けてくれるんです。お気に入りのカップに入れて、ほっとひと息。甘酒独特の匂いが苦手、という人にもぴったりですよ。(甘酒は、あま糀でも代用可能です)


発酵LabCoo
味噌や糀、醤油など醸造文化が残る兵庫県たつの市。ここで、各家庭で簡単に発酵食品が作れるようなワークショップや甘酒教室、オリジナル醤油作りなどのイベントも数多く開催しています。多くの人が日本の伝統食品の味や歴史に親しみ、各家庭で発酵食品を手作りし、地域の味を引き継いでいただきたいと願っています。

米糀のご購入はこちら
※ネット限定商品
https://www.kubara.jp/amakoji/koji/komekoji/224400/

茅乃舎だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/kayanoyadashi/

昆布だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/konbudashi/

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