せいろを使わず「蒸す」料理
ふわぁっと、ふたを開けたとたん立ちのぼる湯気。あの感覚は、紛れもなく心おどる瞬間です。しかもヘルシーに、ふっくらと仕上がるのもうれしい。
「蒸す」料理に対して、私たちはこんなに心も食指も動くのに、ご家庭では「焼く」「炒める」「煮込む」料理が多くなってしまう理由のひとつは「蒸す道具」のハードルの高さ、かもしれませんね。
鍋やフライパンほど出番は少なく感じるのに、意外とかさばるせいろ。雑誌に出てくるようなお家では「見せる収納」として置かれていて憧れだけれど、キッチンはなるべくすっきりさせたい。などの理由から、購入を踏みとどまっている人も多いことでしょう。
大丈夫です。そんなあなたでも「蒸す」料理をつくることはできます。
ご案内したいのは、あえてせいろなどを使わずにできる蒸し料理のレシピ。
レシピ担当の田原が2000以上あるストックから、一生懸命探してきてくれました。
フライパンで蒸したて
海老シュウマイ
「餃子よりも意外と手軽で、しかもフライパンでもつくれることを知って欲しいんです」と田原の熱い思いに、編集部みんなが心打たれたのが海老シュウマイ。
その理由は下のコメントを読んでいただくとして、実際につくってみると、とにかく「たねがおいしいなぁ」と思いました。理由はきっと下味に海老だしの袋を破って使っているから。海老の風味を追いかけるように、生姜の絞り汁や、ごま油のこうばしさが繊細に感じられます。
もちろん、海老のプリッとした食感、蒸したてならではのしたたるジューシーさもお見事。せいろでつくったシュウマイとも、ひけをとらないおいしさです。
海老シュウマイ
詳しいレシピはこちらを押す
海老シュウマイ
詳しいレシピはこちらを押す
[材料](16個分)
豚ひき肉
250g
小海老
60g
A
玉ねぎ(みじん切り)
1/4個
片栗粉
小さじ1/4
シュウマイの皮
16枚
[作り方]
- 小海老は2~3等分に切り、飾り用の海老は取りわけておく。【A】は合わせておく。
- ボウルに豚ひき肉、【B】を入れて合わせ、①の海老と【A】を入れて練り合わせる。
- ②を16等分にしてシュウマイの皮で包み、軽く握って形を整え、海老をのせる。
- フライパンに水150mlを入れオーブン用シートを敷き、③をのせ強火にかける。沸騰後、蓋をして弱火にし、約10分蒸す。
お次は、旬が終わる前にぜひ。
ふっくら仕上がる
牡蠣の昆布蒸し
スーパーの鮮魚売り場でも、貝類が並ぶ冬の季節。中でも牡蠣はとびっきりのうれしいごちそう。流通しているものは養殖が主流とはいえ、やはりこの時期はおいしさ、大きさともに違います。
フライやバター焼きもいいけれど、あのつるり、ぷりり、ふっくらとした姿をそのまま拝みながらいただけるのは、蒸し料理ゆえの醍醐味。こちらも、フライパンに熱湯を張り、ふたをして8分ほど中火にかけておくだけで、よい頃合いに蒸し上がりますよ。
お酒のあてにもぴったり。ちびちびやりながら、どうぞ。
牡蠣の昆布蒸し
詳しいレシピはこちらを押す
牡蠣の昆布蒸し
詳しいレシピはこちらを押す
[材料](2人分)
[作り方]
- 牡蠣は塩少々(分量外)でふり洗いをし、水気をふきとる。長ねぎは3㎝幅の縦半分に切る。
- オーブン用シートに長ねぎ1/2量を敷いて牡蠣1/2量をのせ、【A】をふり、閉じる。同様に、もう1つつくる。
- フライパンに1㎝深さの熱湯をはり、②を入れて蓋をし、中火で約8分蒸す。器に盛り、お好みで青ねぎをのせ、かぼすを添える。
そろそろ、並びはじめてきてますよね。
みずみずしさと食感と
春キャベツのオイル蒸し
海老も牡蠣もたしかにおいしいけれど、もっと安くてシンプルな材料で、つくりおきもできて、あっという間につくれて、しかもあっという間になくなるほどおいしい蒸し料理、ないですか?
なんて、よくばりすぎるリクエストにぜんぶお応えしたのが、こちら春キャベツのオイル蒸し。ざく切りにしたキャベツとオリーブ油、袋を破った野菜だしを入れ、弱火で4~5分蒸し煮にする、だけ。野菜だしの味わい深さやコクが、みずみずしいキャベツにまとわりついて、いくらでも食べれてしまいそうです。
レシピでは1/2玉となっていますが、一気に1玉分つくってしまってもありかもしれませんよ。だって、ほら。
春キャベツのオイル蒸し
詳しいレシピはこちらを押す
春キャベツのオイル蒸し
詳しいレシピはこちらを押す
[材料](2人分)
[作り方]
- キャベツはざく切りにする。
- 厚手の鍋に①とだしを半量ずつ入れ、半量の油をふりかける。同様に残りの①、だし、油をかけて蓋をする。
- ②を中火にかけ、沸騰後、弱火にし、4~5分蒸し煮にする。
最後に使うのは、だしではなく?
煎り酒でプロの味
豚肉のオレンジ蒸し
私たち茅乃舎の商品ラインナップのなかでも、ひそかに人気がある商品が煎り酒です。煮切った日本酒に、梅酢と鰹・昆布だしを加えた、江戸時代から伝わる万能調味料。塩分は高くないものの、だしのさっぱりとしたうまみが、素材の味をきゅっと引き立ててくれます。こちらを使った蒸し焼きレシピを最後にご紹介したいのです。
豚肉を使いますが、こってりする重い感じはなく、また塩気が足りないな、という感じもなく、ほどよい風味があります。そんな「さっぱりとしたうまみ」をさらに後押ししてくれるのが、オレンジの存在。豚肉料理のマンネリから少しだけ抜け出したようなレシピ、いかがですか?
豚肉のオレンジ蒸し
詳しいレシピはこちらを押す
豚肉のオレンジ蒸し
詳しいレシピはこちらを押す
[材料](2人分)
[作り方]
- 豚肉の筋に切り込みをいれて、塩・胡椒をする。オレンジは輪切りにする。
- フライパンに油を入れて熱し、豚肉を焼く。
- ②の豚肉の上にオレンジをのせ、煎り酒を加えて、蓋をし5分蒸し焼きにする。
それほどストイックにやってるわけじゃないけれど、できるだけ脂っこくなく、健康にいいものをつくりたい。そんなあなたに、蒸し料理はぴったりの調理法。
ここから、レパートリーを増やしてみてはいかがでしょう?
昆布だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/konbudashi/
海老だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/ebidashi/
野菜だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/yasaidashi/
煎り酒のご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/seasoning/irizake/


この記事がおもしろいと思ったら、いいねを押してください。
編集部が喜びます!
①②③④⑤⑥⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬⑭⑮⑯⑰⑱⑲⑳㉑㉒㉓㉔㉕㉖㉗㉘㉙㉚㉛㉜㉝㉞㉟㊱㊲㊳㊴㊵㊶㊷㊸㊹㊺㊻㊼㊽㊾㊿
しゅんしゅんと湯気が上がる蒸し料理があると、気持ちもあたたかくなります。春が来るまであとほんの少し。まだ寒い日もありますから、どうぞ温かい料理でご自愛ください。
齊藤