いかにも涼しく、ガラスの器に合うレシピ。

エアコンのない江戸時代、人々はさまざまなくふうを凝らし「涼しいつもり」を演出していたようです。ちりんちりん、と清らかに鳴る風鈴を窓辺にしつらえたり、さらり、風通しのいい麻の着物をまとったり。

ガラスの器をもちいるのも、そのひとつ。

素材そのものの見た目で涼を感じるだけではなく、食材の色を際立たせたり、透過して見えた時の美しさを感じたり。今の時季、使わない手はないというもの。

「ガラスの器は、持っている。けれど使うのは、素麺くらい?」
なんてもったいない。レシピ担当の田原が約2000ある中から、ガラスの器に合うレシピを探してきてくれました。涼やかに、ご案内いたしましょう。

やさしい甘さをさらさらいただく
とうもろこしのすり流し


とうもろこしのおいしさと栄養をまるごと、しかも食欲のないときでもするするいただける、すり流し。お気に入りのグラスに注ぐと、黄色いルックスもうっとり、じっと見入ってしまいます。

つくり方は、シンプル。蒸して甘さを引き出したとうもろこしと、煮出しただし汁と合わせて、ミキサーで撹拌します。

そして「涼しさポイント」はこちら、ザルで濾すこと。

こうすることで皮の食感が取り除かれ、さらさらとした質感になります。冷蔵庫でよく冷やしてから、ひとくち飲めば、あぁ甘い!

混じり気のない自然の甘さが喉もとを通っておなかに入っていく、幸せの黄色い液体。これだけでもしっかり満足感がありながら、さっぱりする分、さらに食欲もわく。

なんか不思議な気持ちになるのでした。

田原

すりながしとは、もともと野菜などの素材をすりつぶして、だしでのばしたもの。ですがこのレシピはつくりやすいよう、だしと素材を一緒に撹拌しています。汁もののかわりはもちろん、お口直しに料理の途中で出してもよいですね。

とうもろこしのすり流し
詳しいレシピはこちらを押す
とうもろこしのすり流し
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[材料](2〜3人分)

とうもろこし

1/2本

A

300ml

[つくり方]

  1. とうもろこしは厚手の鍋に入れ、高さ2cm程の水、塩(分量外)を入れて火にかける。
  2. 沸騰したら中火にし、蓋をして約5分、裏返して約2分蒸す。
  3. ②を包丁で削るように粒を切り落とす。
  4. 別の鍋に【A】を入れて火にかけ、沸騰後、中火で2~3分煮出し、だしパックを取り出して、火を止めて冷ます。
  5. ミキサーに③、④を入れて滑らかになるまで攪拌し、ザルで濾す。
  6. 塩(分量外)で調味し、冷蔵庫で冷やす。

とうもろこしのすり流しが前菜ならば、お次のコースはこちらでいかが?

色あいも味わいも楽しい
素麺サラダ


ガラスに映える彩りって、やっぱり気持ちも豊かになるわ。そう感じてくださったなら、こちらもぜひ。

キモはにがうりのグリーンと、サーモンのオレンジ。おたがいの鮮やかな色が組み合わさることで引き立てあって、きれいな相乗効果をもたらします。

相乗効果といえば、味もしかり。にがうりの苦みとサーモンのうまみは、別の世界にいるようで、相性はこの上なくよし。そして、たらりとたらしたごま油が、両方の肩を組んでくれるような、よきまとめ役となるのでした。

つゆでいただく素麺に飽きたなら。

田原

これは和えるだけ、本当にシンプルです。暑いときの料理は、このぐらいかんたんだと助かりますよね。苦味のあるにがうりを、ごま油がマイルドに、柚子胡椒がぴりりとアクセントを加えて、よい感じにさわやかさを引き出してくれますよ。

素麺サラダ
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素麺サラダ
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[材料](2人分)

素麺

2束

にがうり

1/2本

サーモン刺身

100g

茅乃舎だし(袋を破って)

1袋

A

ごま油

小2

柚子胡椒

適量

[つくり方]

  1. ボウルに袋を破った茅乃舎だしと【A】を混ぜ合わせておく。
  2. 茹でて冷水で締めた素麺と刺身、薄切りにしたにがうりを①に加えて混ぜ合わせる。

おでんは冬に食べるもの……ですか?

こちらのほうがおいしい!?
冷やしおでん


冷たいおでん?最初は、驚かれるかもしれませんね。でもこれ、実は今回でいちばんお気に入りの一品でした。

おでんといえば、思い浮かぶ野菜の具といえば、大根やじゃがいもでしょうか。ですがこちらは具も夏仕様、おくらと冬瓜、そして厚揚げを使います。

ほおばると、口の中でじゅわっとだしがあふれます。しかもあつくないぶん、そのままごくっと飲める醍醐味も味わえるのです。そして冬瓜のほろほろ感、おくらのとろとろ感、厚揚げのふわふわ感、それぞれが食べ心地よく、最後は仲睦まじく溶けあいます。

味がしっかりと効いているので、ビールのおともに最高!おでんの器、ビールのグラス、どちらもキンキンに冷やしておくとよいでしょう。乙で粋な夏の晩酌、楽しんで!

田原

あったかいおでんには辛子を添えますが、冷たいおでんには柚子胡椒が合うんです。もちろん、なくても十分おいしくいただけます(九州はけっこう柚子胡椒が身近なので)。つくり置きして、冷蔵庫で冷やしておくのもいいですね。油ものが入っていないので、冷えたまま食卓に出しても問題ありません。

冷やしおでん
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冷やしおでん
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[材料](2人分)

冬瓜

300g

厚揚げ

150g

オクラ

3本

A

500ml

大2

小1/2

柚子胡椒

適量

[つくり方]

  1. 冬瓜は一口大に切り、耐熱皿に並べてラップをして、レンジ(600W)で約4分加熱する。
  2. 鍋に【A】と①、厚揚げを入れて中火にかける。沸騰したら弱火にし、落し蓋をして約20分煮る。
  3. オクラを加えて火を止める。そのまま冷まして味を含ませる。お好みで柚子胡椒を添える。

意外といえば、こちらも。

あえてガラスの器に
冷たいだしカレー

なかなか面白いレシピです。ごはんとカレーはあったかいまま、冷たいだしをかけて、卵黄をくずしながら食べるというスタイル。

あのスパイシーな香りが食欲そそる、カレーマジックにほだされながらも、暑くて汗をかきかき……とはなりません。冷たいだしの力もあいまって、さらさらっと軽快に食べ進めることができます。

見た目はカレーそのもの。だからこそ、ガラスの器の出番です。「いつもとは違う感じ」を演出できるばかりでなく、食べているときの気分もまったく違います。とても不思議で、素敵な体験。

器によって、心までてきめんに変わってしまうこと、しみじみ感じた一品でした。

田原

思い出深いレシピです。というのも、暑い夏の日、お客さまに集まっていただくイベントがあったときに「冷たくてさっぱり食べられるレシピをお伝えしたい」と思って考えました。スパイシーな和漢だしが、カレー粉ととっても相性がよいんです。

冷たいだしカレー
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冷たいだしカレー
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[材料](2人分)

A

合いびき肉

200g

玉ねぎ

1/2個

にんにく

1/2片

生姜

1/2片

カレー粉

大1

B

ケチャップ

大2

中濃ソース

大1

C

400ml

卵黄

2個分

ごはん

茶碗2杯分

[つくり方]

  1. 玉ねぎはみじん切り、にんにく、生姜はすりおろしにする。
  2. 鍋に【C】を入れて火にかけ、沸騰後、中火で2~3分煮出したら、冷やす。
  3. フライパンに【A】を入れ混ぜ合わせ、火にかけ炒める。さらに【B】を加え汁けがなくなるまで炒める。
  4. 器にごはん、③、卵黄を盛り、②を注ぐ。

とろり、ふわり
冷製茶碗蒸し


茶碗蒸しとありますが、とろり、ふわりとしたスフレのようでもあります。また生クリームが入っているからでしょうか、レストランなどに供される、洗練された味わいも印象的。椎茸だしを使っていますが、あえてポルチーニ(イタリアのキノコの名称)と呼びたい気分もありますね。だからこそ、そばちょこや蒸し碗ではなく、ぜひともガラスのカップに入れていただきたい。
そして大事なプロセスは、蒸すとき。


写真のように蒸し器があればそれもよし、なければ鍋に器の半分の高さまで水を張り、蓋をして蒸してもだいじょうぶ。

強火で1分、ごく弱火にして8分を目安に確認しながら「す」が立たないようにするのがポイントです。

そして冷蔵庫に入れて、1時間くらい経てばできあがり。「待つ」時間も楽しみたいものですね。

田原

粗熱をとれば、1時間もたたないうちに冷えると思います。生クリームを入れることで、とろりとした口当たりに。茶碗蒸しという名前ですが、トッピングも少し洋風仕立てにしていますので、お肉などの洋食とぜひ合わせてみてください。

冷製茶碗蒸し
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冷製茶碗蒸し
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[材料](2人分)

1個

生クリーム

100ml

ヤングコーン

1本

枝豆(剥いたもの)

適量

生ハム

10g

A

100ml

[つくり方]

  1. 鍋に【A】を入れて火にかけ、沸騰後中火で2~3分煮出し、火を止めてだしパックを取り出し、冷ます。
  2. ボウルに卵を割りほぐし、①、生クリームを加えて混ぜ合わせ、茶濾しで濾しながら器に入れる。
  3. 鍋に②を入れ器の半分の高さまで水を張り、蓋をする。強火で1分、ごく弱火にして8分を目安に確認しながら「す」が立たないように蒸す。
  4. 蒸し上がったら、粗熱をとり、冷蔵庫で冷やす。
  5. ④に茹でたヤングコーンと枝豆、生ハムを飾る。

なんでもいいわけでもなく、料理に合わせてちゃんと器を選ぶこと。ガラスを選んで涼を感じること。それはあなたが、自分自身を大事にすることにつながります。

日々をぞんざいにせず、涼やかに、穏やかに、心地よく。

茅乃舎だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/dashi/

やさしい和漢だしのご購入はこちら
https://www.kubara.jp/kayanoya/all_dashi/wakandashi/584500/

椎茸だしのご購入はこちら
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