毎日のお弁当に何かひと工夫。注文を受けてから作る店舗を持たないお弁当屋さん、麻生要一郎さんと春井春乃さんに「茅乃舎」のだしを使った、時短、手間いらずのお弁当を教わります。
ケータリングのお弁当がしみじみおいしいと評判の麻生さん。誰もが知っている「いつものおかず」だからこそ、食べる人がホッとリラックスできるのです。「お弁当の時間こそ、ゆったりとくつろいでいただきたいですから」。お母さんが作ってくれたような心のこもった料理が、麻生さんの真骨頂です。
「お弁当は濃い味にと思いがちですが、だしをきかせれば薄味で十分。でも、牛肉のしぐれ煮や鯖の粕漬けなど、強めの味を添え、引き立て合うよう組み合わせます」と麻生さん。最初に左上の角に卵焼きを置いて、おかずを順次詰め、おかずを押すようにごはんを固定させ、その上にさらにおかずを盛るのが麻生さん流。
メインのひとつは、キャベツ二重巻きで野菜も増量のロールキャベツ
最強のごはんの友。甘辛味で晩ごはんのおかずにもぴったり。彩りに絹さやを添えて。
「『茅乃舎だし』のラインナップはありがたい助っ人。調味料はほんの少しで味が決まるので、朝の忙しいときや、作りおきおかずにも」と麻生さん。今回の卵焼きは白だしで味に深みを与えました。即席漬けも、塩と茅乃舎だしを袋を破って加え、軽くもんでひと晩おくだけ。冷蔵庫に残っている野菜を活用できます。
麻生さんの卵焼きは万人好みのちょっと甘口。
「まぁ、かわいい」「あら、きれい」。歓声が聞こえてきそうなお弁当を作ってくれたのは、おばんざいの居酒屋も営む春井さんです。春の日差しのような彩りが、温かくて爽やかな雰囲気を醸しています。さらに気をつけているのが、食感。「自分が好きな蓮根やゴボウなど、歯ごたえのあるものを必ず添えます」。
青菜は小松菜やほうれん草でも。ピーナツでも同様に作れます。
お弁当箱を縦に置いたら、まずは混ぜごはんや炊き込みごはんなど、味のついたごはんを詰めていきます。「味のついたごはんは、季節感も感じていただきやすいので」。むかごごはんだったり、さんまと春菊ごはんだったり、鶏ときのこの炊き込みごはんだったり、そのときどきで楽しみながら作ります。
桜えびも柚子もお好きなだけ。味のついたごはんはそれだけで大満足。
お弁当やケータリング担当のスタッフは主婦が多いので、茅乃舎のだしのあれこれは日頃からよく使っているそう。「みんな、楽しみながら活用しています」と春井さん。今回のハンバーグには、野菜だしを入れてコクをプラス。こんな小さな工夫で、毎日のお弁当に「いつもとちょっと違う」味わいが生まれます。
野菜嫌いのお子さんにもおすすめ。豚肉に限らず、合いびき肉でも牛肉でも。
どちらも、おかずを詰めるのが楽しくなるような春のお弁当。手間いらずの一品だからこそ、品数豊富に作れそうです。日々の献立作りにも役立てましょう。
建築、飲食、宿業を経て料理家に。本とコーヒーのスタンド〈HADEN BOOKS〉をオープン。近著に『本日もお疲れさまでした』。
デザインの仕事を経て、お惣菜居酒屋〈マルサラ飲食店〉店主に。鮮やかな彩りと食感が楽しいケータリング、お弁当には定評あり。